出版社内容情報
デビュー作の絵本がベストセラーとなった陽子と、新聞記者の晴美は親友同士。共に幼いころ親に捨てられた過去を持つ。ある日、「真実を公表しなければ、息子の命はない」という脅迫状とともに、陽子の息子が誘拐された。「真実」とは何か……。それに辿り着いたとき、ふたりの歩んできた境遇=人生が浮き彫りになっていく。人は生まれた環境で、その後の人生が決まるのではなく、自分で切り拓いていけるもの。人と人との”絆”や”繋がり”を考えさせられるヒューマンミステリー。今冬放送予定の、ABC創立60周年記念スペシャルドラマ原作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
82
初読。結末は読めてしまったのだが、産まれた境遇をそれぞれがどう受け止めるのか興味深く読んだ。読み始める前に青いスピンが2本ついているのに気づいたが、理由は物語を読んでわかった。絵本付きを図書館で借りられてよかった。2013/04/07
takaC
63
ありがたいことに読メの皆さんから誕生日プレゼントとして戴いた(感謝!)ので絵本付特別版も読みました。既読者視点で読んでも十分楽しめましたが、湊小説としてはやはり意外なラストかな。装画はイメージ画?2012/05/13
とも
45
★★★☆ひさしぶりに、人の悪意や妬み、嫉みなどなど陰の部分をクローズアップさせる作品に触れてみたくなり、湊かなえを手にとった。淡々と静かに流れていく作品で、いっときのパンチは既に消滅したのか。それとも作家自身が無難にまとまってしまっているのか。最後に、作中で主人公のベストセラーになったとされる絵本が掲載されている。いなくなった母親から貰ったプレゼントの青いリボンを半分に切って親友のうさぎさんにわけてあげるというものだが、この絵本には悪意がないことを祈るばかり。2018/04/30
Masako Karasawa
35
怖さはあったものの、「告白」「贖罪」みたいな怖さではなかった。好きだったなぁー☆
うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)
29
デビュー作の絵本「あおぞらリボン」がベストセラーになり一躍有名となった陽子。しかしある日、5歳になる息子が誘拐され・・。年末に発表される2011年の漢字が「絆」に選ばれたように、この話でも人との絆が印象に残りました。その為これまでと比べると毒は少なめ。それはそれでいいのですが事件の真相が早い段階で分かってしまったのが残念。陽子が優等生すぎるのも逆に違和感がありました。デビュー作「告白」があまりにも衝撃的だったので、ついそれを期待してしまいます。例え毒が少なくてもアッと驚くような話が読みたいです。★★★2011/12/15