出版社内容情報
時は天保の世、幕府天文方が改暦の準備を進める中、神田で手習い所「吉井堂」を開く浪人・吉井数馬と妹の奈緒は、幕府と朝廷の暦合戦に巻き込まれる――。 第30回小説推理新人賞受賞作『寿限無』を含む、浪漫情緒あふれる江戸ミステリー連作短編集。
内容説明
時は天保の世、浪人の手習い師匠・吉井数馬は幕府天文方と朝廷の暦合戦に巻き込まれる―数馬の運命は、そして妹・奈緒の秘めた思いとは?注目の小説推理新人賞受賞作を収録!情感溢れる江戸ミステリー連作短編集。
著者等紹介
浮穴みみ[ウキアナミミ]
北海道旭川市生まれ。千葉大学仏文科卒。数年間の関東暮らしを経て、現在は札幌在住。「寿限無 幼童手跡指南・吉井数馬」で、第30回(2008年)小説推理新人賞受賞。『吉井堂謎解き暦 姫の竹、月の草』が初の単行本となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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天の川
30
手習い所吉井堂を営む、多才でおおらかな兄と才色兼備の妹。二人が巻き込まれる事件の謎解きを重ねるうちに兄妹の出自も次第に明らかに…しっとりとした話が多く、二人の感情が家族愛と男女のそれとどちらに傾くのか気になるところ。面白かったのですが、奈緒の背負う運命は奇をてらい過ぎた感じがして、少しばかり違和感あり。もっとすんなりとした話でも十分だったのではないかしら。シリーズではないのなら、余計にそう思います。2016/01/30
nyanco
13
博識の数馬が解く日常の謎系に時代物の人情話も加わり、なかなか面白い。大柄で仁王像の様という設定と読んで伝わってくる数馬のイメージがどうも重なってこないのは何故かな?(私だけ?)奈緒の出生の秘密と、奈緒をここに留めるためにはアノ設定が必要だったのだろうが、これをもう少し生かせれば凄かっただろうなあ。でも、なかなか読みやすく、場面設定も良かったので、時代物苦手の私でも楽しめました。今後に期待の新人作家さんです。2009/12/28
むつぞー
9
幕府天文方と朝廷の暦合戦という出版情報につられて手にしたんだすが、残念ながらこの辺りは期待したものとは違ってました。 一応背景にはあるんだけど、大きく表にはないって所。 そのあたりを除けば、題名どおりの暦、からくり人形、和歌を事件に絡めてある部分もとっても好きですし、面白かったです。 あと奈緒については凝った設定を上手く使えてないのではと思う部分もあります。一応ちゃんと解決はしてくれたので、いいかな~ってとこでしょうか。ちょっともったいない感じ。 贅沢を言ってますが、今後に期待してます!2009/12/02
カバン
8
わけありの元武家の兄妹が、自分たちの出生の秘密や周りの謎解きをしていく。物語は面白いと思うのですが、ストーリーがギュっとしているのか、読んでいて頭が混乱するときがありました。2015/05/29
今夜は眠れない
7
面白い設定。シリーズ化して欲しい。2016/01/07