内容説明
港近く、濁った川沿いに居を構える47歳、無職。金はなく、持病はある。「なるべくよく笑って、楽しく暮らしてください」そんなの無理だと医者に答えたところでしょうがない。生きているということは、ほんの去年まで知らなかった新しい苦しみと出会うことなのだ。
著者等紹介
冨士本由紀[フジモトユキ]
1955年島根県松江市生まれ。コピーライターの仕事をしながら小説を書き、94年『包帯をまいたイブ』で第七回「小説すばる新人賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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洋子
19
主人公がダメすぎて、読んでて疲れてしまった、2018/04/26
しろ
8
☆5 主人公が予想以上にダメ男だった。でもまあ、人間ってのはこれくらいにどっちつかずになってしまうこともある。それにしてもここまで自分の人生を無責任に過ごしてしまうとは。健康も損ない、職も損ない、ボロボロになりながらも目の前にいる女にすがって、すがられて生きていく。そして意外なことに、読んでいるとこれはこれで幸せに思えてしまうから不思議だ。「今」さえ楽しければ、貯金がなくても将来が見えなくても生きていけるのかもしれない。堕ちるのには勇気がいるが、堕ちてしまってもそれなりに生きていける日本はいい国だ。2011/08/14
あつひめ
8
どこかで落っことしちゃった希望。真面目さゆえに希望を失ったらどうやって過ごしていいのかどこへ行けばいいのかわからなくなってしまうのかもしれない。一生懸命になりやすい性格からブラブラしている自分が情けなくてうつ病を悪化させてしまう・・・。どんなに落ちぶれてもやはり身についたスマートさが無職になって落ちぶれてもほのかに香っているから女が寄ってくるのかもしれない。からかいじゃなく真面目な気持ちの女が・・・。自分の身もわきまえず3人の女と関係を持ってしまうことには矛盾を感じるけど、人との出会いの不思議さをラストに2010/02/18
ぺこ太
3
しあわせだと思う。だめ男でも女がよってきてそれなりに楽しんで生きてると思った。2010/10/08
こう
3
「誰が読むんだこんなダメ男の話!!」と思いながらも、読むのは止められない。素晴らしいタイトルだけど、読了後このタイトルが心に染みてちょっと悲しくなった。2009/07/29