内容説明
謎の死を遂げ、帝大医学部の解剖台に横たわる銀座の美人女給たち。鬼才が贈る本邦初、法医学歴史ミステリー巨編。
著者等紹介
川田弥一郎[カワダヤイチロウ]
1948(昭和23)年生まれ。名古屋大学医学部卒。医学博士。1992年『白く長い廊下』で江戸川乱歩賞受賞。1994年の『赤い闇』以来、時代ミステリーを書く
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感想・レビュー
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Yuki
9
んー、正直微妙です。どの登場人物にも感情移入ができなくて、中々入り込めませんでした。事件も、すごく驚く真実が明らかになるって訳でもなく、ああ、そうだったんだねという感じでした。ラストは少し以外に思いましたが…。もう少しわかりやすい謎と真実の解明がある方が、個人的には好みです。2018/09/26
演習家康くん
2
結構夢中で読みました。検視のシーンの克明さは作家さんの本職が垣間見れ、実際はこんな感じで行われるのだろうなァと。女給カフェとは今で言う「クラブ」のようなものでいいのかな?女の逞しさが恐ろしいやらなんやら。2013/08/21
kazewataru
1
表題の「検屍官」は、主人公と行動を共にする新庄の方。主人公の徳永吟作は捜査一課の部長刑事。2009/05/03
kenplus
0
昭和初期のカフェというのは、今でいうキャバクラみたいなものだったんだなあと思いながら読んだ。トリックの成立させるために、昭和初期という時代が選ばれたのかなあというのも正直な感想。こういう雰囲気の作品は割と好きなだけに、その点は少し残念。ただ、最後の最後はやられたなあ。連続殺人犯の正体にたどり着くには、後出し感がありすぎてこりゃ無理だと感じていたけど、最後のは、よく読み込めばたどり着けたかもしれないもんなあ。『牛乳』2014/12/07
ポン・ザ・フラグメント
0
資料をそのまま引き写したような生硬なところが目立つ。検死場面がくどくどしく書かれているのにつきあった挙句、死因は最初の見立てどおりで新発見もありませんでは、読んでいる方は悲しすぎる。ミステリにする必然性は、というか、この時代を舞台に書く必然性はあったのだろうか。カフェの女給さんと刑事さんと文士さんしか出てこないので、モダン東京って感じもあまりしない。2013/01/31