ペニス

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  • サイズ B6判/ページ数 427p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784575234114
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

冷凍庫のなかの子供の屍体を見つめる初老の男。ふと脳裡に泛んだこのひとつの情景が、物語を隅隅に至るまで確定してしまいました。男はインポテンツであらねばなりませんし、好きな音楽はチャイコフスキーであらねばなりません。男は公務員です。おそらくは大公園の管理人です。そして屍体である子供の正体を、彼はさっぱりとわからずにいます。―さまざまな時制を飛び交いながら、物語は多元的に収束していきます。果てしない推理小説でもあるし、もの悲しいポルノグラフィでもあります。

著者等紹介

津原泰水[ツハラヤスミ]
1964年、広島市生まれ。青山学院大学国際政治経済学部卒。1989年より津原やすみ名義で多数の少女小説を発表。1997年、筆名を津原泰水に変え、怪奇幻想小説『妖都』で再デビュー。1999年、連作短篇集『蘆屋家の崩壊』を上梓。2000年には「12幻想」叢書を監修した
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えも

17
比較的初期の津原さん。だからか読みにくい▼性的不能な初老の公園管理人が、事務所のロッカーに少年の死体を見つけるところから始まり、妄想的で狂気を孕んだ、じゅくじゅくと膿んだ生臭い物語が、それはもう延々と展開される…▼もう少し洒脱な津原さんの方が好きかな。2017/06/08

Fancy Koh(旧SMOKE)

9
不能者である「私」は公園の管理人。アル中で、自分の追憶のなかだけに生きている。完璧な小説を書こうとして、完璧すぎる序章だけがこの世で出版されたこともある。「私」はいつも日誌には「異常なし」と書いている。なにがあっても。ある日、「私」は公園管理事務所のロッカーに少年の死体を発見する。死体の少年を所有することは、「私」には完璧に思え、大型冷凍庫に保存するのだが…。現実なのか、悪夢なのか、偏った記憶があらわれては消える。緑のにおいが、体液とあじって鼻がまがりそうになる。気持ち悪い。でも読まずにはいられなかった。2017/06/05

KASAO

7
主人公の過去の性体験の夢と今いる現実が入り乱れながら、ねっとりとした物語が進む一冊。作家の夢を引きずりながら、公園の管理人として半分死んだように生きる主人公。作中の雰囲気はどこまでいってもグロテスクだった。最後はこっちも今見ているものが夢なのか現実か分からなくなる。読む人によって好き嫌いが分かれる類の小説。すっきりしない終わりが嫌いな人にはお勧めしない。2014/12/27

mimei

6
性的な夢を見ているときのような読み心地だった。妙に細部に具体的だったかと思うと、象徴に不意に飛翔する。性的な生臭さと、抽象性と、そして不条理さ。2016/10/30

wasabi

3
幻想文学つーかアル中?読んでてしんどかった。こういうのを楽しめる感性は今の俺にはない。2014/07/01

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