フォークナー全集 〈15〉 村 田中久男

フォークナー全集 〈15〉 村 田中久男

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  • サイズ B6判/ページ数 386p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784572008213
  • NDC分類 938
  • Cコード C0397

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

抹茶モナカ

17
スノープス3部作の1作目。フレムが社会的にのしあがる様子を描いているらしいのだけど、そこまで読解できず。エピソードの集積という印象が強く、面白いエピソードから、どうも掴みきれないエピソードもあり。マルケスのマジック・リアリズムの描き方にフォークナーが影響を与えたのは、エピソードの積み重ね具合で本作はよくわかった。だけど、難しくて、後期フォークナーは苦手かも。2014/12/10

kero385

9
「土にまみれた旗」「サンクチュアリ」「征服されざる人々」などで、どこか卑劣で不快な人物として登場してくるスノープス一族。そのスノープス一族を中心に据えた長編小説。全体は四篇九章からなるが、九つの緩やかな連作からなる長編という構造。文章も一部詩的な章もあるが、どちらかといえば平板な語り口で、あえて言えば民話の様な土俗的な調子。ただ緩やかな連作とは言ったが、第一篇の第一章北軍の埋蔵金の話、第二章の馬のことで騙される話の二つが、第四篇第一章フレムが絡んでいるはずの馬購入の詐欺、第二章フレムが企てた埋蔵金詐欺と、2024/12/19

ra0_0in

2
個人的には、スノープス三部作は『ゴッド・ファーザー』を読むような面白さがあるのではと思っている――ピカレスクとして、群像劇として。翻訳の問題もあってなかなか状況がつかみにくいのだけれど、ヤクザ映画を観ているときのような権謀術数が交錯する話が多く、こういうのを上手くかけるというのは技術以外の面で小説家の重要な素養だと思う。それと、小説の書き出しというのは印象に残るものが多いけれど、本書は結末のイメージが素晴らしかった(『マクティーグ』の喜劇版といった感じ)。ミンクとヒューストンそれぞれのエピソードが大好き。2014/02/15

qurulinter

2
途中で何度読むのを止めようかと思ったか、という作品2010/06/23

Ginga

1
フォークナー2冊目。初フォークナーは『響きと怒り』だったのですが、それに比べると読みやすいし、分かりやすかったです。短編集と呼んでも過言ではない本書ですが、この感じで短編集が書けるのなら皆こうやって書けばいいのに、と思わされます。第3篇「長い夏」の第1章、白痴のアイザックの挿話は素晴らしすぎます。時間や距離から解放されたアイザックはまるで4次元を生きるかのように映ります。彼にとって連結は認識できず、適切な時間に適切な場所で適切な行為に及ぶこと、それだけしか彼の思考には存在しないのです。→コメントへ続く2024/12/02

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