感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
メイ
8
フォークナーが「八月の光」と並んでノーベル文学賞を受賞したきっかけにもなった代表作であり、その独創的手法はギネスに登録された世界最長の一文(1287語)が使われ、読者は、そういった文を連発させながら延々と続く登場人物の昔話を聞かされている格好になり、その曖昧さを含んだ主観的な物語に翻訳が古いことも手伝い、混乱させられるのだが、不思議なリズムの良い文体に最後まで読み進めると物語は補完されて真実が浮かび上がるという頭が痛くなるような文体なのだが、文の端々に美しい言葉が散りばめられ、(続く)2018/07/15