内容説明
ロンドンの街から、ひとり、またひとりと子どもたちが消えていく…ハンメルンの笛吹伝説のように、ロンドンの街から、毎月のように大勢の子どもたちがすがたを消していく。なんとリチャード王の息子までもが行方不明に。子どもたちの行方を追って、ダイドーの妹であるイスは、ひとり「黄金王」の支配する『北の国』へと向かったのだが…。小学校高学年からおとなまで。
著者等紹介
エイキン,ジョーン[エイキン,ジョーン][Aiken,Joan]
1924‐2004。アメリカの詩人コンラッド・エイキンの娘として、イギリス、サセックスのライで生まれる。母親はカナダ人。5歳のころから物語や詩をノートに書きつけ、十代の後半から作品を雑誌などに発表しはじめる。若くして夫を亡くしたのちに、本格的な作家活動に入る。作品は児童文学だけではなく、大人向きのミステリー、詩、戯曲など多岐にわたり、生涯で約100点の本を出版した。1969年『ささやき山の秘密』でガーディアン賞を受賞
こだまともこ[コダマトモコ]
小玉知子。東京都生まれ。早稲田大学卒業。出版社で雑誌の編集にたずさわったのち、児童図書の翻訳と創作をはじめる。白百合女子大学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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シュシュ
22
児童書だけれど様々な問題が織り込まれた物語で、惹きつけられた。児童労働、厄介者を抱えたトワイト家、不老長寿を願う独裁者、抵抗しない大人たち、友だちの死を目の当たりにして、ネコになってしまった少年アラン。子どもたちが声に出さずに心の声でお互いに言葉を伝え合う設定もよかった。悲しい場面もあるけれど、イスの心の強さに希望を感じながら読んだ。 2020/02/09
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
7
教育出版国語 5年生 【平成27年度教科書著者紹介本 令和2年度教科書著者紹介本】2021/05/24
グーグー
5
前作で初めて登場したイスがダイドーに代わって大活躍! このシリーズは、面白いなあ。父ちゃんの家系はみんな悪人かと思ってたけど……。ひいじいちゃんのなぞなぞのうち3つの答えが、訳者あとがきに書いてあって、すっきり。2019/08/29
ペミカン
5
ダイドーの異母妹イスの活躍。懐かしい捕り物帖の世界が蘇りました。 子ども達が奴隷のように働かされるどん底の地下こそ「希望」が希望として示される世界。エイキンの晩年作というのに納得。シリーズが全訳されるよう切に望む。彼女の伝えたかったことをじっくり考えてみたくなる一冊。2011/03/10
いっこ
4
『ダイドーと父ちゃん』に登場する小さな女の子イスが主人公の物語。ダイドー、ペニーはイスの異母姉にあたる。今やハノーバー国はイギリスの友好国になり、代わりにハンバーランド王国の黄金王というのが新たな脅威となっている。ダイドーに勝るとも劣らないイスの活躍で、きっと何とかなると思いながら読んだが、児童虐待や津波の場面が辛すぎて児童書とは思えないくらいだった。そんな中、ペニーが作ったお話の中に「ルビーが詰まった脚」があったのが心を和ませた。ペニーも、なかなか素敵だ。2024/04/26