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マージの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
97
いやはや合理主義の西洋人をも凌駕してしまう東洋の教えの凄さに感服。一方で、その頭でだけ考えてもわからない(=合理主義者には理解不能?)東洋の教えを結果的に体得した著者にも感服です。2025/01/06
あーさん☆GWは墓参りをハシゴしました。暑くてバテました。
68
弓道について語られた本。2020/02/02
Gotoran
63
大正末期、大学教授として日本に滞在していた独人哲学者の弓道修行の記録。それは、阿波研造師範の下での弓を通じて、至った禅の在り方(無心の境地)体得の記録。西洋人の論理的な思考と方法が弓道の師の教えによってことごとく否定され打ち負かされて、遂には論理の限界を超えてしまうがその先に・・・。人間の無限の可能性(潜在能力)、無意識の偉大さを実際に信じることが出来る。どんなことでも、心を深く沈めて無心の境地に同調した時にはじめて真価が発揮される。という気づき・学びが得られた。2014/12/29
キジネコ
51
「弓」に限らず「茶」も「華」も「香」も又然りで、およそ「道」に踏み出し歩む者の目指す思索修練の昏迷は、老子を濾過した仏教の極東の結実「禅」的アプローチから紐解く能を可とする、とヘンゲルさんが得心。道元さんは只管に座ることで無の心境地にて自己を忘却し真理との邂逅を待て、と諭す。その難路道程をドイツ人哲学者は「弓」の師父の膝下にて辿る。徹底した様式の踏襲の先、全てから自身の意識が解放された瞬間に、本質「それ」が昏迷を照らす。その実践と経験の至る日々。矢は放たれる時を待つ。道に殉ずれば奥義の的は悟りと同義なり。2020/07/21
著者の生き様を学ぶ庵さん
44
「日本の弓術」が口述であるのに対し、本書はヘリゲル本人による数少ない著作。それを数少ない東北帝国大学の愛弟子が翻訳したもの。口うるさいドイツの哲学者が術なき術という超論理の世界で弓道を極める、という有り得ないドラマ。最後の辺りは話題が弓道から離れ、武道・禅あるいは何らかの道に関する哲学が語られる。何故かヘリゲルが宮本武蔵に見え、本書を読むうちに、新免武蔵(たけぞう)から宮本武蔵へ進化していく気がする。武蔵のお通に相当するグスティ・ヘリゲル夫人(弓道二段)による内助の功も見逃せない。2016/11/26