出版社内容情報
人はコンピューターを人のように扱うとの法則をもとに、コンピューターを用いた実験で対人関係を分析する。『心の仕組み』のスティーブン・ピンカー、『影響力の武器』のロバート・B・チャルディーニ絶賛!
本書は人々を悩ませる対人関係、中でも賞賛と批判・性格・チームづくり・情動(感情)・説得という5つのテーマについて、29の実験をもとによりよい関係を築くための秘訣を教えてくれる。
本書ではさまざまなユニークな実験が繰り広げられる。ドライバーを事故に導くカー・シミュレーター、入力ミスにお世辞で返すスペルチェッカー、内向的なショッピングサイト、などなど。著者クリフォード・ナスは一つひとつのアイデアを仮説にして社会心理学的な実験を行い、結論を導いていく。その手順が本書ではオープンにされているため、心理学研究者のみならず一般の読者にとっても、よい思考トレーニングになるだろう。
本書のユニークな点は、実験の協力者としてコンピューターを使う点だ。心理学で言われる「メディアの等式」(人はコンピューターやメディアを人として扱う)に従えば、人とコンピューターとのやりとりは、人と人とのやりとりと同じだという。不確かな人間に実験を手伝ってもらうよりも、被験者に対して常に同じ反応を返すコンピューターを実験に利用したほうが、正確な結果が得られるのだ。
多くの実験を通して得られた対人関係の秘訣は、家庭からビジネスまで、幅広く応用できる。コンピューターはわたしたち自身について、人間より「人間らしい」洞察をもたらしてくれるのである。
クリフォード・ナス[クリフォードナス]
著・文・その他
コリーナ・イェン[コリーナイェン]
著・文・その他
細馬宏通[ホソマヒロミチ]
監修/翻訳
成田啓行[ナリタヒロユキ]
翻訳
目次
第1章 賞賛と批判(中立的な評価は可能か?;実験・20の扉と無礼な応答 ほか)
第2章 性格(数十億人と4つの性格;実験・しゃべりすぎ、しゃべらなさすぎ、それともぴったり? ほか)
第3章 チームとチームビルディング(チームの作り方;実験・どんな風に私を愛しているか?ひとつずつ数えましょう ほか)
第4章 情動(情動とは何か?;実験・私の情動が聞こえますか? ほか)
第5章 説得(実験・人(あるいは、もの)は専門家になれるか?
なぜレッテルはそれほど強力なのか? ほか)
著者等紹介
ナス,クリフォード[ナス,クリフォード] [Nass,Clifford]
元スタンフォード大学コミュニケーション学部教授。1986年に着任後、社会科学の見地から、各種のメディア、特にコンピューターに接する人間の反応を調べる実験研究を数多く実施した。また、マイクロソフト、デル、日産自動車など多くの企業と共同研究を行い、膨大な数の製品やサービスの開発に貢献。近年はマルチタスクが人の能力に及ぼす影響についての研究を進め、広く提言を行った。2013年、心臓発作により55歳で他界
イェン,コリーナ[イェン,コリーナ] [Yen,Corina]
アプリケーション・デザイナー、ライター。スタンフォード大学で機械工学を修めた後、ソフトウェア開発に携わる。ユーザー・リサーチと人間中心のデザインを通じて、ユーザーの体験を充実させるインターフェースの作成に取り組んでいる。サンフランシスコ在住
細馬宏通[ホソマヒロミチ]
滋賀県立大学人間文化学部教授。京都大学理学部卒業。京都大学大学院理学研究科博士課程修了(動物学)。専門は人間行動学
成田啓行[ナリタヒロユキ]
滋賀県立大学大学院人間文化学研究科(博士後期課程)単位取得退学。2005年より、フリーの翻訳者として活動中。ITと医療、両分野の翻訳を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。