内容説明
世界でも指折りの経験豊かなセラピストが語る最も印象的なセラピーの数々。
目次
鼻を切り落としたかった男
ダイニングテーブルのミイラ
バジー・ビーの口唇期固着
エディプスのジレンマ
ゴミバケツを漁りたがる女性
教会の許しを請うペニス
セラピーの相棒はヘビとトカゲ
ガラクタをかたづけられない妻
ターミネーター、精神病棟に現る
幽霊との共生〔ほか〕
著者等紹介
岩壁茂[イワカベシゲル]
カナダMcGill大学大学院カウンセリング心理学専攻博士課程修了。心理学博士(Ph.D.)。2000年札幌学院大学人文学部専任講師。2004年3月よりお茶の水女子大学大学院人間文化研究科助教授(現 同大学大学院人間文化創成科学研究科准教授)。専門分野は、心理療法のプロセス研究で、「人はどのように変わるのか」という変容プロセスに関する研究とプロセス研究に基づいた臨床指導を行っている。研究テーマは、セラピストの困難、心理療法における感情の変化、心理療法統合、臨床家の職業的成長と訓練である
門脇陽子[カドワキヨウコ]
翻訳者。津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業
森田由美[モリタユミ]
翻訳者。京都大学法学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
春風
3
奇妙な臨床事例32話。短篇小説集のような味わい。訳もこなれている。2011/10/09
釈聴音
2
取り上げられている事例は、単に「奇妙」という点で好奇心を掻き立てられるというだけにとどまらず、人間の強さと弱さ―クライアントだけでなくセラピストの側も―を学ばせてくれる。自分の人生は自分のものだと気づくこと、そして、その「気づき」は(得てして非常に困難であれ)誰にでも可能なのだということ。2012/01/02
(˙-˙э ))э
1
32人のセラピストが経験した奇妙な臨床事例集。特段驚きのあるような事例は無いものの、明らかにコミュニケーションが取れないようなクライエントと対峙し、問題解決に向けて寄り添うセラピスト達。事例として紹介されている32例は必ずしも全てが成功している訳ではないが、クライエントの認知の歪みをどう分析し、どう対応したかが詳細に書かれている。特殊例が多すぎて参考になったかと言えば疑問だが、普遍的な人間との向き合い方について勉強になった部分はあると思う。2015/02/15
くさてる
1
題名通り、セラピストが出会った奇妙な患者たちの逸話が収録されている。セラピーの現場に蛇と共に現れた孤独な少年や、手当たり次第になにもかもを憎まずにいられない女性、母に縛られ、女装することでしか息抜きが出来ない男性など、様々なエピソード。記述には専門的な部分もあるが、人間の持つ奇妙さと面白さ、常識ではかりしれない心の動きについて、深く考えさせられた。2011/11/12
ななみ
0
クライエントのレジリエンスってすごいなと感じさせられる本。2013/05/27