出版社内容情報
高橋 英之[タカハシ ヒデユキ]
著・文・その他
内容説明
心から人を癒やし、勇気づけるロボットは「何もしない」!?「レンタルなんもしない人」との出会いをきっかけに、心理学、脳科学、認知科学、哲学を飛び回り「あい」あるロボットの可能性を考える。
目次
なんもしない人の誕生
他者の存在を感じる心の仕組み
「何かする他者」がもたらす不自由、「何もしない他者」がもたらす自由
「何もしない」はデザインできるか?
ロボットに宿る心
ロボットと暮らす女性
自己開示を引き出す「なんもしないロボット」
なんもしないロボットが人間集団に与えるインパクト
「人工あい」の提案
枯れない「あい」を求めて
感覚から寄り添うロボット、物語から寄り添うロボット
ロボットの背景世界を創り出す
あいがあるロボットの三条件
インフラとしての「人工あい」
「なんもしない」と「あい」の科学を目指して
心は冒険したがっている
著者等紹介
高橋英之[タカハシヒデユキ]
大阪大学大学院基礎工学研究科特任准教授。北海道大学大学院情報科学研究科博士課程修了、博士(情報科学)。専門は、ロボットの心理学、コミュニケーションの認知科学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひこうき雲
49
「大人ってかわいそうだね。自分より大きなものがいないもの。よりかかってあまえたり、しかってくれる人がいないんだもの」2022/12/17
けんとまん1007
43
ロボットと言っても、想像することは、人によってかなり違う。ずっと、機能優先できていたものが、最近は、それだけではなくなっているのかと思う。その一つが、優しい、弱いというキーワード。何となく、見ているこちらが動いてしまうことだったりする。そこにいるだけ、あるいは、いなくても想像できるだけで十分、意義があること。共通しているのは、自分が一人きりではないということなのかと思う。押しつけがましくなく、そこにあるというくらい。哲学だなあ~。2022/12/17
skr-shower
2
ロボットつながりで。日本人のロボット観はアトムとドラえもんか。”なんもしない人”とリンクしたロボット考。2023/03/03
カンパネルラ
2
可愛い表紙買いでした。本書はどちらかというと哲学書のような難しい内容を「レンタルなんもしない人」を中心に、星の王子様や渋谷のハチ公、Pepperくんを随所に登場させながら、本来は虚無な存在であり、感情もない無機質なロボットを、そっと人の横に寄り添うだけで人のこころを安心させることができるロボット開発者の本です。私は、著者が開発しようとしているロボットはぬいぐるみに近い感覚なんだろうなと思いました。複雑化し、こころが時代の速さに追いつけなくなっている今の時代にこそ、大事なロボットのあり方だと感じました。2023/02/15
pen
1
やさしい気持ちになり、倫理にかなって生きたいと姿勢を正す本やった。先生考えるロボットが横にいてくれたら、とても 自由になれそうだと思った。ちょっとした冒険もへっちゃらそうだ。 一方で、高橋先生も随所に書いておられるが 人は社会的動物。自分だけロボットとチビ冒険をエンジョイするんは、勇気要るかも。ロボットが社会に溶け込んだら、みなに伴走ロボットが電気やスマホのようにいれば、変な人やないコトになるかな2023/10/29