出版社内容情報
「利生」を心に抱く同志として、後醍醐天皇とともに鎌倉幕府を打倒した足利尊氏と楠木正成は、なぜ敵味方に分かれて戦うことになってしまったのか――。
第12回日経小説大賞受賞作、待望の文庫化!
私利私欲がうごめく政治の腐敗があるなか、「民がおのおのの本分を為し、生きる甲斐のある世にする」という想いを胸に、尊氏と正成、そして後醍醐天皇という異なる個性を持つ三人が理想の世をかかげた建武の新政が始まった。しかし、公家もそして武家も私利私欲がうごめく政治の腐敗は止めようがなく、尊氏と正成の運命は引き裂かれていく――。
「太平記」の時代を新たな視点で描く傑作歴史小説。『利生の人 尊氏と正成』を改題。
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内容説明
鎌倉幕府討幕を企む後醍醐天皇が隠岐へ流された。しかし千早城で籠城し、徹底抗戦する楠木正成に呼応するように、幕府側である足利高氏(尊氏)が寝返り、ついに鎌倉幕府は滅亡する。「利生」―民がおのおのの本分を為し、生きる甲斐のある世にするという志を持つ後醍醐天皇。建武の政で、尊氏と正成はともにその実現を目指すが、いつしかふたりの運命は引き裂かれていく。
著者等紹介
天津佳之[アマツヨシユキ]
1979年生まれ。静岡県伊東市出身。大正大学文学部日本語・日本文学科卒業。書店員、編集プロダクションのライターを経て、業界新聞記者。2020年、本作で第12回日経小説大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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