出版社内容情報
結婚式に参列した千佳は、帰り道でタクシーの運転手に想いを零す(六月 アマリリス 「おしゃべり」)、資格試験に合格した優里は、喧嘩別れした親友のことを思い出す(三月 クリスマスローズ 「追憶」)、推しのスキャンダルにショックを受けたるりは、あることを思いつき――(八月 向日葵 「あなただけを見つめる」)。女性たちの揺れ動く心情を、花と花言葉にリンクさせながら、温かく描き出していく二十四篇の連作小説集。
内容説明
結婚式に参列した千佳は、帰り道でタクシーの運転手に想いを零す(六月 アマリリス「おしゃべり」)、資格試験に合格した優里は、喧嘩別れした親友のことを思い出す(三月 クリスマスローズ「追憶」)、推しのスキャンダルにショックを受けたるりは、あることを思いつき―(八月 向日葵「あなただけを見つめる」)。女性たちの揺れ動く心情を、花と花言葉にリンクさせながら、描き出していく二十四編の連作小説集。
著者等紹介
伊藤朱里[イトウアカリ]
1986年生まれ。静岡県出身。「変わらざる喜び」で第31回太宰治賞を受賞。同作を改題した『名前も呼べない』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星群
73
初読み作家さん。茶道教室を中心にした花を通して垣間見る連作短編集。約10頁の中に、花を中心に起承転結がまとめられていて、読みやすかったです。まぁ、欲を言えばもう少し浸っていたかったですが、そう思える程度がいいのかもしれませんね。『カーネーション(黄色)』などに出てくるお兄さんと、『カトレア』のタクシーの運転手さんが素敵でした。2025/03/29
のんちゃん
35
12か月2年分、ひと月毎に花を題名にし、その花言葉で物語を紡ぐ24編の連作短編集。登場人物が多く、どうリンクしていったのかを知りたく、読後人物相関図を作った😆感想としては当たり前のことだが、人にはその人なりの表からはわからない事情があり、それぞれが苦悩しその悩みを、時に究極迄考え、時に解決迄やり過ごし、時に放置するという営みがあるという人生の寂寞感だ。太宰治賞受賞の著者は流石に文章が流麗で、且つその中にも鋭く物事の核心をつく一文があり、ドキッとする。杏の話が好きだ。今度は著者の長編小説が読みたいと思う。2025/02/23
けいこ
32
なんとなくモヤモヤした世界を描く印象の伊藤朱里さん。でも今作はヒリヒリした中にも暖かい空気が流れる作品でした。ある茶道教室での女性達を中心として、毎月のお花とその花言葉に纏わる連作短編集。みんなそれぞれに思う事がある。相容れない思い、孤独感、焦燥感。でも、世界は思ったより暖かい。色々あるけど自分自身の気持ちを大切にしながら、歩いていこう。三月の杏『乙女のはにかみ』、一月のバンクシア『心地よい孤独』が良かった。2025/04/09
坂城 弥生
30
花言葉と絡めた女性達の日常ショートショート。2025/01/22
mayu
28
花と花言葉と共に綴られる少しの苦さと風が吹くような開放感を感じさせてくれる連作短編集。過去への後悔や今も続く心をささくれ立たせる物事、相手に対する嫉妬心や怒り。そんな気持ちを救ってくれるのは初めて会った相手だったり、いつも側にいる恋人や同僚、家族の何気ない言葉だったりする。大人にっても女同士は難しい。出てくる人達が場所場所で繋がっていて、角度が変わると見えてくるものが違うのが読んでいて面白かったので登場人物を把握しているとより楽しめるかも。痛みや苦味と共に花と言葉にふわりと包まれる様な一冊。2025/02/21
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