出版社内容情報
亡き父のあとを受け、森岡恭平が社長を務める森岡人形は、低迷する売上、高齢化した職人の後継者不在、果ては社長自身の婚活……と、問題が山積。
そんなある日、職人たちが足繁く通うパブで働くクリシアというフィリピン人女性が、社屋を訪ねてきた。
職人の一人が、酔った勢いで「俺の弟子にしてやる」と、彼女に約束したと言うのだが――。
老舗人形店を舞台に繰り広げられる人情味いっぱいの、笑って泣ける人生讃歌。
内容説明
亡き父のあとを継ぎ、森岡恭平が社長を務める森岡人形は、低迷する売上、高齢化した職人の後継者不在、果ては社長自身の婚活…と、問題が山積。そんなある日、職人たちが足繁ぐ通うパブで働くクリシアというフィリピン人女性が、社屋を訪ねてきた。職人の一人が、酔った勢いで「俺の弟子にしてやる」と、彼女に約束したと言うのだが―。老舗人形店を舞台に繰り広げられる人情味いっぱいの、笑って泣ける人生讃歌。
著者等紹介
山本幸久[ヤマモトユキヒサ]
1966年東京都生まれ。中央大学卒業。編集プロダクション勤務等を経て、2003年『笑う招き猫』で第16回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。06年、同作で第2回酒飲み書店員大賞受賞。18年、『店長がいっぱい』でエキナカ書店大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タルシル📖ヨムノスキー
19
まず書影が素敵。ひな壇のあちこちに登場人物たちがお邪魔していて、読んだ人は誰が誰だか一目瞭然。この物語に限らず、ずっと守り続けてきた日本の伝統工芸は後継者不足のために衰退の一途を辿り今や絶滅の危機。創業百八十年の老舗人形店の八代目・森岡を中心に、雛人形の未来を模索するという物語。森岡がコーチをしている高校のボート部の掛け声「イッテーアリテ、イチニンナシッ(一艇ありて、一人なし)」は、ボート競技に限ったことではなくて、すべてのことに当てはまる。文庫書き下ろしの短編が森岡人形店の四年後でなかったのは少し驚き。2025/02/11
Y.yamabuki
17
老舗人形店の若社長 森岡恭平、独身、母校のボート部コーチでもあり多忙。一癖も二癖もある職人達に囲まれて、仕事にプライベートに悩みは多い。けれど皆、根はいい人で彼を応援している。爽やかな読後感。人形の町鐘撞と森岡人形、そして恭平のプライベート、この先が知りたい。2025/05/08
kotetsupatapata
14
星★★★☆☆ 山本幸久さんの本は新刊が出たら購入するほど追っかけてます。 この本も単行本を買い、文庫化されたので、書き下ろしの短編目当てで再度購入しました。 4年半後の森岡人形は、取り敢えず生き残っていたどころか、まさかの世界デビューしてました😆 恭平とすず花は恋人に昇格したみたいだけど、結婚には至ってないんやね2025/03/08
しばこ
11
ひな人形の制作に関して、詳しく書かれている点興味深くおもしろかったけど、結婚問題絡みのその辺の、お約束的な展開は、私は好みではなかった。2025/03/07
なんてひだ
10
優しい小説でした今回も。知らない雛人形師の話には興味深いし後継者問題もしっかり描かれてて、漕艇と人形師はまるで同じとか いいですね。もっと寿々花にモモに出てもよかったし四年半後は恭平じゃないのがズラしなのかなぁ要らんけどと思った。コロナも書かれてて未だにマスクの効果を数字にしてくれよ、ワクチン打って何千人死んだんだよ、廃棄したワクチンの予算をぼやかすなよ、中抜き社会、消費税下げない国は日本だけだよということでやっぱ財務省解体デモ参加しようかと。2025/03/30