出版社内容情報
「なぜ朝敵と言われなければいけないのか。我に何の罪があるというのか――」
心ならずも「朝敵」とされた桑名藩主・松平定敬(さだあき)は、兄で会津藩主の松平容保(かたもり)とともに徳川家のために戦おうとするが、新政府に従うことを決めた最後の将軍・徳川慶喜に遠ざけられてしまう。
一方、上方に近い桑名藩は、藩主不在のなか、重臣・酒井孫八郎のもとで官軍に白旗を掲げ、藩主を幼君に挿げ替えて新政府に恭順することを決める。
藩主の座を追われた定敬は、わずかな家臣とともに滞在していた江戸を離れることに……。帰国することもできず、越後、箱館、そして上海まで彷徨うことになった男は、心に如何なる哀しみを宿していたのか。
美濃高須松平家の四兄弟の運命を描いた、本書の姉妹編『葵の残葉』で新田次郎文学賞&本屋が選ぶ時代小説大賞をW受賞した作家が、幕末の悲劇を炙り出し、明治維新とは何だったのかを改めて問う傑作歴史小説。
内容説明
時は幕末。桑名藩主・松平定敬は、兄の会津藩主・松平容保とともに徳川家に尽くそうとするも、最後の将軍・慶喜に遠ざけられる。さらに国許は定敬の意に反して官軍に白旗を掲げたため、帰国することもできず、行き場を失ってしまう。わずかな家臣を連れて各地を彷徨うことになった男は、心に如何なる哀しみを宿していたのか。幕末の悲劇を炙り出し、明治維新とは何だったのかを改めて問う傑作歴史小説。
著者等紹介
奥山景布子[オクヤマキョウコ]
1966年、愛知県生まれ。名古屋大学大学院文学研究科博士課程修了、博士(文学)号取得。2007年、「平家蟹異聞」(『源平六花撰』所収)でオール讀物新人賞、18年、『葵の残葉』で新田次郎文学賞&本屋が選ぶ時代小説大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
inarix
はしめ
Ryo0809
グランくん