出版社内容情報
軍事政権下の東南アジアの国から日本に留学したピーター・オハラは、大学で政治活動に情熱を注ぐ犬養渉と意気投合した。父・ジミーが祖国の民主化に向け、大統領選に出馬することを知ったピーターは、父の選挙を応援するため、渉とともに帰国する。しかし、人々の期待を一身に背負ったジミーが、凶弾に斃れてしまう。ジミーの遺志を継いだピーターと渉は、大国の思惑による国際政治の残酷な現実に対峙していく――。
内容説明
軍事政権下の東南アジアの国から日本に留学したピーター・オハラは、大学で政治活動に情熱を注ぐ犬養渉と意気投合した。父・ジミーが祖国の民主化に向け、大統領選に出馬することを知ったピーターは、父の選挙を応援するため、渉とともに帰国する。しかし、人々の期待を一身に背負ったジミーが、凶弾に斃れてしまう。ジミーの遺志を継いだピーターと渉は、大国の思惑による国際政治の残酷な現実に対峙していく―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タルシル📖ヨムノスキー
21
参考資料から察するにミャンマーと、1980年代のフィリピンをモデルにした東南アジアの小国・メコン共和国が舞台の政治小説。テーマは民主主義とは何か。単なる国内の権力闘争に留まらず、希少価値の高い鉱山資源を獲得しようとする米英中などの水面下の争いは実に醜いというか、そんな大国の思惑に振り回される小国の辛さを思い知らされました。日本人の大学生の渉は、民主主義の大切さを唱えるも、現地に足を踏み入れて自分の考えの甘さを思い知らされる。最後は希望を感じさせる終わり方だったけれど、大国がこのまま引き下がるとは思えない。2024/04/27
coldsurgeon
3
東南アジアの独裁政権下国家を舞台とした民主化への道を描く。民主主義を求める民主化は、民主主義をどのように理解するのかで異なるのだろうか。一人一人が政治に関心を持ち、関わることにより、維持される政治体制が民主主義であるのならば、ハードルの高いものだ。主人公のように、政治家2世が先頭に立たないと、国家は運営できないような気がした。市井の人が政治に関心を持ちにくいがために、政治家2世がはびこるような気がする。2024/06/12
シャンピニオン
3
激動、政治、大国の欺瞞。国をまとめるとは、何か。考えさせられた。 日本は平穏でいい?良かった?まずい?でもどうしようもない? 関心領域の中で幸せに暮らそう。 だめ?2024/06/08
Micky
2
真山氏にしては珍しい東南アジアに位置する小国の政治ドラマ。自国、米国、英国、中国などが、各国の利権絡みのエゴの饗宴。独裁政権を打破しようとするプリンス側の大統領選挙をめぐり、各国の諜報員や大使館、暴力組織がすっもんだするも、誰が何を考えているのかよくわからないのでどうもスッキリしない。結果は想定通りだけれどこの想定は無理がある。2024/04/30
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