出版社内容情報
「保守」vs.「リベラル」は、もう古い!
カリスマ予備校講師、歴史系YouTuberである著者が、マトリックス図を使って複雑な世界の政治対立をシンプルに整理する。
「朝日新聞は、左がかっている」とか、「産経新聞は、右寄りだ」と、よく言われます。
どうやら、政治思想を説明するうえで、もっともベーシックな対立構造が、「右派」VS.「左派」ということのようです。
そもそも政治思想において、何が「左」で、何が「右」なのでしょうか?
アメリカの二大政党は、「右」の共和党と「左」の民主党です。
共和党は北部の大資本家の支持をバックに成立し、これに対する民主党は労働者の政党として、社会保障政策や労働者保護法の制定など、弱者の側に立った政策を実施してきた――と世界史の教科書には書いてあります。
歴史的には、これは間違いではありません。
ところが、2016年のアメリカ大統領選挙では、「右」と思われてきた共和党のドナルド・トランプが「アメリカ人の雇用を取り戻す!」と訴え、もともと民主党支持だった労働者層の支持を受けて当選しました。
民主党と共和党の役割が、入れ替わったようにも見えます。
同じような現象がヨーロッパ諸国でも起こり、「右」と思われてきた政党が大躍進しています。
いったい何が起こっているのでしょうか?
ここまで複雑になると、「右」か「左」かという一次元の直線では説明がつかなくなります。
x軸にy軸を加えた座標軸を考案したのは哲学者であり数学者のデカルトですが、x軸を経済的自由、y軸を政治的自由として、政治思想を二次元座標で表現したのが、米国の政治学者デイヴィッド・ノーランです。
本書では、この「ノーラン・チャート」を応用して、さまざまな時代、さまざまな国の政治思想のせめぎ合いを、「政治思想マトリックス」として示していきましょう。
複雑に見える世界の政治対立が、実はシンプルなものなのだと、はっきりわかるはずです。
【目次】
●第1章:ナショナリズムとグローバリズムの「シーソーゲーム」
●第2章:「米中冷戦」の思想史と強いロシアの復活
●第3章:「超国家EU」崩壊の序曲
●第4章:グローバル化するイスラム革命
●最終章:敗戦後日本の政治思想史と未来
※本書は、2020年11月にPHP研究所から刊行された『世界の今を読み解く「政治思想マトリックス」』を改題し、加筆・修正したものです。
内容説明
「保守」vs.「リベラル」はもう古い!アメリカ大統領選挙/中東問題/ウクライナ情勢。複雑な世界の政治対立をシンプルに整理できる!
目次
第1章 ナショナリズムとグローバリズムの「シーソーゲーム」(フランス革命によって生まれた「右派」vs.「左派」;世界に先駆けたイギリスの「政治システム」 ほか)
第2章 「米中冷戦」の思想史と強いロシアの復活(中国の裏切りで幕を開けた「米中冷戦」の因縁;「中ソ対立」から始まった米中蜜月 ほか)
第3章 「超国家EU」崩壊の序曲(超大国アメリカへの対抗として、新たな国家が生まれた;「上から目線のEU」に、キレたイギリス ほか)
第4章 グローバル化するイスラム革命(「革命の輸出」とグローバリズム;「遠隔操作」で、世界革命を推進せよ! ほか)
最終章 敗戦後日本の政治思想史と未来(アメリカの従属国として始まった戦後日本;社会主義勢力vs.自民党 ほか)
著者等紹介
茂木誠[モギマコト]
作家、予備校講師、歴史系YouTuber。駿台予備学校、N予備校で世界史担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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三井剛一
しんえい
けん
Kensuke Watanabe
七