出版社内容情報
神田、日本橋、両国……物語が息づく江戸の町にいらっしゃい。
人気時代作家による傑作短編で巡る八百八町の“観光”アンソロジー
●「後の祭」(朝井まかて)神田祭の「お祭掛」に選ばれてしまった家主の徳兵衛。望まぬ大役に困惑するが、普段は役に立たない店子の平吉が思わぬ活躍を見せ、事態は思いがけない方向に進みだす。
●「名水と葛」(篠 綾子)日本橋室町にある草履問屋の娘・お鶴は、幼い頃から病弱で、そんな自分に鬱屈を抱いていた。しかし、本草学者の弟子、森野仁助から「正しく養生する」ことを教えられ、己の本当の望みに気付く。書き下ろし作品。
●「鐘ヶ淵――往還」(田牧大和)男装して船頭をしながら、密かに事情がある人を逃がす“とんずら屋”を裏の仕事としている弥生は、絵師の客から変わった依頼を受ける。商家で働く若い女中を鐘ヶ淵まで連れていき、また店に戻すというもので、反対する仲間の反対を押し切り、弥生はその仕事を請け負うが……。
●「両国橋物語」(宮本紀子)両国橋近くの蕎麦屋で働くお初の人生は、毎日かけ蕎麦を頼む橋番の男に「あの客には気をつけろ」と声を掛けられたときから、変わり始める。親子ほどに歳の離れた男に惹かれ、両国橋の橋番所に通うお初であったが……。
●「凍る月」(宮部みゆき)本所一帯を預かる岡っ引き、茂七のもとに、酒問屋の主人から女中が逐電したという相談が持ち込まれる。以前、その店で紛失していた到来物の新巻鮭は自分が盗んだと告白して、女中は店を去ったというが、茂七は腑に落ちないものを感じる。
内容説明
神田祭の「お祭掛」に選ばれてしまった家主の徳兵衛。望まぬ大役に困惑するが、普段は役に立たない店子の平吉が思わぬ活躍を見せ…「後の祭」(朝井まかて)、両国橋近くの蕎麦屋で働くお初の人生は、毎日かけ蕎麦を頼む初老の男に「あの客には気を付けろ」と声を掛けられたときから変わり始め…「両国橋物語」(宮本紀子)など、まるで江戸の名所を訪ね歩くような趣のある短編を集めた珠玉のアンソロジー。
著者等紹介
朝井まかて[アサイマカテ]
1959年、大阪府生まれ。2008年、『実さえ花さえ』で小説現代長編新人賞奨励賞を受賞し、デビュー。14年、『恋歌』で直木賞、16年、『眩』で中山義秀文学賞、17年、『福袋』で舟橋聖一文学賞、18年、『雲上雲下』で中央公論文芸賞、『悪玉伝』で司馬遼太郎賞、21年、『類』で芸術選奨文部科学大臣賞、柴田錬三郎賞を受賞
篠綾子[シノアヤコ]
埼玉県生まれ。2000年、『春の夜の夢のごとく 新平家公達草紙』で健友館文学賞を受賞し、デビュー。17年、「更紗屋おりん雛形帖」シリーズで歴史時代作家クラブ賞のシリーズ賞、19年、『青山に在り』で日本歴史時代作家協会賞の作品賞を受賞
田牧大和[タマキヤマト]
東京都生まれ。2007年、「色には出でじ、風に牽牛」(刊行時に『花合せ』に改題)で小説現代長編新人賞を受賞し、デビュー
宮本紀子[ミヤモトノリコ]
京都府生まれ。2012年、「雨宿り」で小説宝石新人賞を受賞し、デビュー。19年、『跡とり娘 小間もの丸藤看板姉妹』で細谷正充賞を受賞
宮部みゆき[ミヤベミユキ]
1960年、東京都生まれ。87年、「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞してデビュー。92年、『本所深川ふしぎ草紙』で吉川英治文学新人賞、93年、『火車』で山本周五郎賞、97年、『蒲生邸事件』で日本SF大賞、99年、『理由』で直木賞、2002年、『模倣犯』で司馬遼太郎賞、07年、『名もなき毒』で吉川英治文学賞、22年、菊池寛賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
- 評価
-
時代小説大好き本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみねこ
kagetrasama-aoi(葵・橘)
ちえ
Tanaka9999
あすか