出版社内容情報
江戸で起こる刺激的な事件を集めて記事を書く、読売の“種拾い”の少女・お奈津は、親方から“事故物件”専門の家守(不動産屋)・直吉の話を聞く。見た目は良いが、無愛想でどこか陰のある直吉に興味を持ち、彼から家を借りた者たちを調べるお奈津は、各家の幽霊騒動に巻き込まれるうちに、霊の切ない事情や秘密を知っていき――。江戸を舞台に、死後も続く縁や思いを温かく描く、時代小説シリーズ第一弾!
内容説明
江戸で起こる刺激的な事件を集めて記事を書く、読売の“種拾い”の少女・お奈津は、親方から“事故物件”専門の家守(不動産屋)・直吉の話を聞く。見た目は良いが、どこか陰のある直吉に興味を持ち、彼から家を借りた者たちを調べるお奈津だったが、各家の幽霊騒動に巻き込まれるうちに、霊の切ない秘密を知っていき―。江戸を舞台に、死後も続く縁や思いを温かく描く、時代小説シリーズ第一弾!文庫書き下ろし。
著者等紹介
泉ゆたか[イズミユタカ]
1982年、神奈川県逗子市生まれ。早稲田大学卒業、同大学院修士課程修了。2016年、『お師匠さま、整いました!』で第11回小説現代長編新人賞を受賞し、作家デビュー。2019年、『髪結百花』で、第8回日本歴史時代作家協会賞新人賞と第2回細谷正充賞をダブル受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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タイ子
79
江戸で読売の種拾いをしている少女お奈津。まだ新人な故、記事を全て書かせてもらえるわけでもなく、それでもやる気は十分、元締めの親方に叱られたり褒められながら成長していく物語。親方に言われ取材に出かけた先は、事故物件を取り扱う家守(不動産屋)の直吉の元。イケメンだがどこか陰のある謎めいた男、婆様と一緒に暮らしているがこの婆様もちょっと謎。事故物件の長屋に入った借主からの幽霊騒ぎ。そりゃ、出るよね。こっちもそれを期待して読んでいるんだから。それを弔う住職、不思議な鳥・鳥太郎の存在がいい。まだ謎を残しての次回へ。2023/07/16
のんちゃん
36
江戸で起こる事件の記事を書く、読売種拾いの少女お奈津は、人が亡くなった家ばかり専門に扱う家守の直吉を親方から知らされ、彼と彼が仲介する貸家に関わる。そこには家に棲みついた幽霊の其々の事情があった。江戸の週刊誌記者と事故物件専門の不動産屋の物語というところか。泉先生はお江戸縁切り帖シリーズの方が私には合うが、このシリーズも直吉の秘密のこれからが知りたくもあり、続編が既刊なので読みたいとは思う。また、人の素性に入り込む事に胸の痛みを感じる、種拾いとしては図々しさに欠けるお奈津だが、これからの活躍も見てみたい。2023/09/02
み
23
2冊並んでたので、次も読みます。江戸時代の事故物件の原因になった方々を解き放す感じかな。さくさくと読めます。2024/05/07
ベローチェのひととき
14
妻から廻ってきた本。4編からなる連作短編集。主人公は貧乏のため故郷から江戸に出てきて読売の種拾いとなった少女、お奈津。そんなお奈津が事故物件専門の家守、直吉と出会い、色々な幽霊騒動に巻き込まれていく。霊の想いや縁を解き解いていく物語である。直吉や婆さんのおテル、寂光寺の住職、月海など、まだまだ登場人物は謎ばかり。続編が楽しみである。2023/09/19
HaruNuevo
12
事故物件入居者の不思議な体験を追うタブロイド紙の駆け出し記者と、その物件を仲介する不動産屋の秘密、と書くと情緒もへったくれも無くなってしまうが、これが江戸の町を舞台にした怪異譚であり人情話である、るというところが実に面白い。 連作短編集だが、まだ物語は端緒についたばかり、これから様々な謎が解き明かされていくとともに、主人公の成長も描かれるのだろう。 期待のシリーズだ。2023/07/14
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