出版社内容情報
なぜ日本では約700年も政府貨幣が発行されなかったのか?
日本の貨幣の歴史から現代の課題が見えてくる!
貨幣と国債に違いはあるのか。インフレーションは悪夢なのか。日本史の事例から考える、人気エコノミストによる令和時代の貨幣論。
日本の歴史には経済理論の事例が満載!
●富本銭は貨幣として機能したのか
●和同開珎銅銭のプロモーション戦略
●貨幣を使用する全員から取れる税
●金属貨幣に先行する手形という信用通貨
●なぜ室町幕府は貨幣を発行しなかったのか?
●300年間、賃金が変わらなかった中世
●なぜ宋銭が日本で基軸通貨になったのか
●暗号資産と渡来銭の共通点とは?
●権力から独立した方法で貨幣量を維持
●宝永改鋳がインフレを起こした
●正徳改鋳がもたらした強烈なデフレ
日本国内では、日米の金利差にばかり目が行ってしまうが、米国以上に金利を引き上げた各国の通貨も多い中でドルの価値だけが上がっている。安全保障上のリスクがある中で、強い軍事的なプレゼンスと安定性をもつ国の通貨が上昇したのだ。政府負債としての貨幣の価値を裏付けるものが政治・軍事におけるパワーであるという視点は、日本史の中のマネーにおいてもしばしば観察される現象だ。(「はじめに」より抜粋)
内容説明
なぜ日本では約700年も政府貨幣が発行されなかったのか?富本銭は貨幣として機能したのか。和同開珎銅銭のプロモーション戦略。金属貨幣に先行する手形という信用通貨。貯蓄手段の渇望が渡来銭に向かった。権力から独立した方法で貨幣量を維持。
目次
第1章 国家にとって「貨幣」とは何か―律令国家が目指した貨幣発行権(はじまりの貨幣;本格的な名目貨幣としての和同開珎 ほか)
第2章 貨幣の基礎理論を知る―マネーは商品か国債か(物々交換神話とマネーのヴェール観;負債としてのマネーと貨幣法制説 ほか)
第3章 信頼できる債務者を求めて―貯蓄への渇望が銭を求めた(古代から中世の日本経済;銭なき時代から貨幣の機能を考える ほか)
第4章 幕府財政と貨幣改鋳―日本における「貨幣」の完成(三貨制度と江戸経済の260年;元禄の改鋳―名目貨幣への道 ほか)
終章 解題にかえて―歴史から考える転換期の貨幣(税金クーポンとFTPL;信頼できる債務者としての政府 ほか)
著者等紹介
飯田泰之[イイダヤスユキ]
1975年生まれ。エコノミスト。明治大学政治経済学部教授。東京大学経済学部卒業後、同大学院経済学研究科博士課程単位取得。内閣府規制改革推進会議委員を兼務。専攻はマクロ経済学、経済政策(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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