出版社内容情報
いつも穏やかでお菓子作りが上手な母・茜と、法律事務所に勤めるしっかり者の娘・七。
ある日、茜は医師である夫から突然離婚を言い渡されてしまう。夫の身勝手さに傷つき、離婚成立後もショックを引きずる茜。七と商店街のメンバーは茜を励まし、手作りのパウンドケーキの販売をすすめる。「人生へのリベンジ」をかけて、母娘二人のケーキ販売が始まった!
奮闘する母娘の絆をケーキと共に温かく描く感動作。
内容説明
穏やかでお菓子作りが上手な母・茜と、法律事務所に勤めるしっかり者の娘・七。ある日、茜は夫から離婚を言い渡されてしまう。突然のことに傷つき、離婚後も落ち込む茜。茜の生き甲斐を取り戻そうと、七と商店街の友人たちは手作りケーキの販売を持ちかけ…人生へのリベンジをかけ、母娘二人の洋菓子店が開店する!奮闘する母と娘の絆を、スイーツと共に温かく描く感動作。
著者等紹介
山口恵以子[ヤマグチエイコ]
1985年、東京都江戸川区生まれ。早稲田大学文学部卒業。松竹シナリオ研究所で学び、脚本家を目指し、プロットライターとして活動。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務しながら、小説の執筆に取り組む。2007年、『邪険始末』で作家デビュー。2013年、『月下上海』で第20回松本清張賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
282
お菓子作りの得意な母の茜と、しっかり者の娘の七。いろいろあって、洋菓子店を開店させるのだけど、これがなかなか面白い。騙されそうになったり、いろいろありながら、茜が、洋菓子店を開店する道のりを楽しめた。“好きこそものの上手なれ”ということわざはこのことだと思う。茜と七の人柄が、様々な人達が助けてくれるのは、二人の人徳なんだろうな。バナナケーキ、ダークフルーツケーキは置いといて、いろいろなケーキが食べたくなった。奮闘する茜と七の姿に、自分も前向きになって頑張ろうという気持ちになれましたね。2023/02/28
おしゃべりメガネ
120
とにかく食べ物描写が秀逸な山口さん作品ですが、今作はパウンドケーキときましたか。甘いモノに目がない自分としては、とにかくずっとお腹グーグー、生唾ゴクリで読み続けてました。50にしていきなり、医師の主人から離婚を切り出されて別れるコトになった「茜」と法律事務所で働く「七」の母娘親子は一発奮起して『アカナナ洋菓子店』をスタートします。「茜」の作るバナナのパウンドケーキは着実に好評を得て広まり、少しずつ事業拡大していきます。本作を読むと改めて諦めずにチャレンジするコトと、人の繋がりの大切さをしっかり感じます。2023/10/22
はにこ
97
決して現実的ではないけど、母子が苦難を乗り越えて一つのことを成し遂げていくのが良かった。主人公の就職氷河期の正社員の心強さや結婚適齢期の心模様、母の離婚後の身の振り方など等身大の葛藤も良かった。主人公が結ばれる相手は想像できたけど、その通りになってくれて良かったという安堵感もあった。幸せな話でほっこりできた。2023/12/02
ひより
94
医師である夫から離婚を切り出され、別れた茜。そして娘の七。 彼女たちが作るパウンドケーキで運命を切り開いていくお話。 とてもすんなりと話が進んでいってうますぎるなぁと思わなくもないのだけど、そこは山口さん。 イヤな感じがしないのがスゴイ。 気分よく読了できました。 ふたりともほんとにいい人だよなぁ。 周りの人たちが助けたくなるね。2024/04/16
Karl Heintz Schneider
91
和食がテーマの著作の多い山口さん。今回は珍しく洋菓子がテーマ。物語の舞台となる場所もこれまでは東京の東側が多かったが今回は東京の西側がその舞台となっている。「かつて公立の大学のキャンパスがあった私鉄の急行停車駅、渋谷や新宿へのアクセスも良い」これを読んで、最初は明大前かと思ったが、その後、目黒区内に店があると書かれており東横線の学芸大学駅だと確信した。この駅は私も住んでいたことがあり今でも商店街が充実した活気のある街だ。学生時代は駅前の喫茶店でバイトしていたこともあるので当時を思い出しながら読んだ。2023/06/05