出版社内容情報
畠山 健二[ハタケヤマ ケンジ]
著・文・その他
内容説明
江戸は本所の「おけら長屋」は、“お節介と人情”で名高い。個性的な住人が入り乱れて、毎日がお祭り騒ぎだ。“岡惚れの半の字”で知られる半次のもとに、いきなり嫁候補がやってきて…「ほろにが」、頑固な浪人と八五郎の意地の張り合いが思わぬ結末へと向かう「せんべい」、松吉と所帯を持つことになったお栄には、仲違いして家を飛び出したきり会わずにいる母親がおり…「はりかえ」など、四編を収録。
著者等紹介
畠山健二[ハタケヤマケンジ]
1957年、東京都目黒区生まれ。墨田区本所育ち。演芸の台本執筆や演出、週刊誌のコラム連載、ものかき塾での講師まで精力的に活動する。2012年、『スプラッシュマンション』(PHP研究所)で小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんたろー
153
19作目も泣き笑いの4編。『ほろにが』は半次の優しさとお静の可愛いボケっぷりにホッコリしたが、万松は近作の中では最も好きじゃない少々度が過ぎた悪乗りをしていて残念。『ぜんあく』おけら長屋らしいお節介が功を奏するのが心地良い。『せんべい』が本作の中では一番のお気に入り…武士と町民が各々の意地を通しながらも心を通わせる様が好み。『はりかえ』は松吉らしい活躍でお栄、母、弟を丸く収めるのが良いし、二人が夫婦になってゆく姿が目に浮かんで微笑ましい。そろそろ、万造とお満、鉄斎とお染にも進展があるのか?次巻も楽しみだ♬2022/11/25
タイ子
117
あー、今回も笑った、泣けた。松吉とお栄がやっと結婚したのはめでたい、めでたい!長屋の結婚式は予想通りの面白さ。その前にお栄ちゃんのこれまでの切ない過去があって、それを何とか丸めようと「おけら長屋は動き出すことにしたよ」の一言に、よっ、お染さん!今回は親子の話が多くて「せんべい」は泣けた。八五郎さん、江戸っ子だね。「ぜんあく」は親子ではなく、商売人の勝ち組と負け組の話。「ほろにが」は笑った!春画がこんなに生き生きと(?)描かれるなんて…。目じりの泣き笑い涙を拭いながら最後のページを閉じたシリーズ第19弾。2022/10/12
のり
109
本作も勿論が笑いもあるが、胸に迫る話が多かった。友や子への思いや蟠りを解決する「おけら長屋」の面々。まして「松吉」と「お栄」の祝い事となれば、張り切るのは当然だ。「三祐」に行かなくても日々が盛り上がるのは間違いない。あと2組の行末も楽しみだ。2022/12/16
ぶち
95
八五郎がひょんなことから知り合った浪人との意地の張り合い。それがいつの間にやら熱い友情に変っていって、そのほろ苦い経緯に号泣しちゃいました。普通ではあり得ない展開に持ち込んじゃうのがおけら長屋の真骨頂。ほんとうに良かったです。そして、とうとう松吉とお栄ちゃんが祝言を挙げました。お約束のドタバタで終始した祝言でした。でも、二人はどんなドタバタでもとっても幸そう。末永くお幸せに。そういえば、松吉が飼っていた猫のミーちゃんはどうなったのでしょう。二人の新婚生活の中にちゃんとい居場所があるとよいのですが....2024/08/31
いこ
92
今作も「おけら長屋のお節介」が炸裂!でも、しみじみと良い巻だった。①まずは、みんな大好き本家のお嬢様登場。またやらかしてしまった。でも、想いを叶えてあげたかった気も。 ②帯問屋の元に、昔世話になった家族が上方から訪ねてくるが、ある企みをもっていて…。 ③町人八五郎VS武士大友。1枚の煎餅をめぐり大騒動に。江戸っ子の矜持・武士の矜持。お互いそれを貫こうとする姿が美しかった。 ④お栄との祝言を控えた松吉。娘と確執のあるお栄の母を、なんとか祝言に呼ぼうとするが…。 最後は長屋キャスト勢揃いでハッピーエンド。 2022/10/26
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