PHP文庫<br> 新訳 フランス革命の省察―「保守主義の父」かく語りき

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PHP文庫
新訳 フランス革命の省察―「保守主義の父」かく語りき

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  • サイズ 文庫判/ページ数 400p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784569900940
  • NDC分類 235.06
  • Cコード C0130

出版社内容情報

変革栄えて、国滅ぶ。これは230年前に書かれた「現代日本の省察」だ!
18世紀、自由と秩序のバランスを求めて、華麗な弁舌をふるったイギリスの政治家・文人エドマンド・バーク。保守主義のバイブルと呼ばれる代表作について、刊行当時のインパクトを甦らせるべく、最先端・最高峰の名訳で再構成。
理想社会の建設を謳ったフランス革命は、以後のあらゆる変革の原型となった。だが高邁な理念は、凄惨な現実と背中合わせだった!
「自由なら何でも良いのか?」「茶番を続ける国民議会」「すべてを変えるのは無能の証拠」「地方は没落、得するのは都市のみ」「『愛国』税制の浅ましさ」「この革命は、とんでもない疫病かもしれない」──三色旗の向こうに、混乱を重ねる日本の姿が見えてくる。
文庫化にあたっては、話題の現代貨幣理論(MMT)とフランス革命との関連も詳しく解明、いっそう画期的な内容となった。気鋭の評論家・中野剛志氏による解説も必読。

内容説明

自由と秩序のバランスを求め、華麗な弁舌をふるった政治家・文人エドマンド・バーク。その代表作について、刊行当時のインパクトを甦らせるべく再構成したのが本書である。理想的な社会の建設を謳い、以後のあらゆる変革の原型となったフランス革命。だが高邁な理念は、凄惨な現実と背中合わせだった!三色旗の向こうに、混乱を重ねる日本の姿が見えてくる、古典新訳、待望の文庫化。

目次

プロローグ 『フランス革命の省察』から学ぶもの
フランス革命と名誉革命の違い
過去を全否定してはいけない
人間はどこまで平等か
革命派の暴挙を批判する
教会は大事にすべきだ
フランスに革命は不要だった
貴族と聖職者を擁護する
改革はゆっくりやるほうが良い
メチャクチャな新体制
社会秩序が根底から崩れる
武力支配と財政破綻
フランス革命が残した教訓

著者等紹介

佐藤健志[サトウケンジ]
1966年、東京生まれ。評論家・作家。東京大学教養学部卒業。1989年、戯曲『ブロークン・ジャパニーズ』で、文化庁舞台芸術創作奨励特別賞を当時の最年少で受賞。1990年、最初の単行本となる小説『チングー・韓国の友人』(新潮社)を刊行した。1992年の『ゴジラとヤマトとぼくらの民主主義』(文藝春秋)より、作劇術の観点から時代や社会を分析する独自の評論活動を展開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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absinthe

152
フランス革命は美談では無かった。革命で得たと称するものは、三部会ですでに国王の譲歩により達成されたものだった。革命前に国王にも反対意見を述べていた高等法院は国民議会にねじ伏せられ、司法の独立まで危うくなった。県を正方形に区切るという愚行のため、土地間の不公平が生じ、逆に税制は不公平が増大した。とにかく自分なら上手くやれると信じ込んだ成り上がりインテリが愚行の限りを尽くして国体を改悪させた。保守主義の父が書いた革命批判の本。2024/02/22

ゆずな

15
1790年発刊。マリーアントワネットもルイ16世も処刑されておらず、ナポレオンも台頭していないとき。革命派の急進的な動きの真っ只中に手紙として書かれたバーグの革命の批評。単純に歴史の知識を深めたかったので選書ミスだったが。伝統的な国家を続けることは古臭くなることではなく、周りの人間に合わせていい土台を保つということ。つまり、現状維持バイアスの性質を持つものとは遠いものだ、と。社会的な利害対立はあって当たり前。これらの作用が急進的な抜本的な改革を阻止し、緩やかに変化することを達成する。 2021/03/31

Ryosuke Kojika

8
文庫版で再読。中野剛志の解説によると「現代日本の省察」であると。首肯。どこでも現在に言い当てられるというのは過言ではない。ぱっと線を引いた箇所を引用。「利害対立の存在こそ、性急な決断を下したいという誘惑にたいして、健全な歯止めを提供する。」「独自の利害をもって集まることこそ、自由を保障するのである。」最近は利害対立があること自体が悪いことのように言われる。対立側にレッテルを貼って分断を促進する。利害対立がある状態はストレスだろうが、そうあって当然という態度がない。五輪反対は、反日らしい。2021/07/05

Mark X Japan

7
フランス革命の関する人物・党派や事件などではなく、全体的な考察です。抽象的な内容が多く、予想と異なる内容なので、肩すかしでした。最近の日本政治情勢とフランス革命の相似点を強く主張しているのが、本著の特徴でしょう。☆:3.02021/09/18

バルジ

5
非常に読みやすい新訳で『フランス革命の省察』の大意を知るには丁度良い。しかし読みやすさを重視してか、現代日本の時勢を反映させているような箇所が複数あり本当にバークがそう語っているのか素直に信じられない読後感である。 しかしそうした新訳でもバークの洞察は非常に響くものがある。フランス革命の指導者達が抱いていた「理性」への信仰、現実政治を無視した画一的な政策ゆえの失政、国家を滅亡寸前に追い込む彼らをバークは徹底的に論駁する。国家を担う人物は何に留意し現実政治を進めるのか、そうした学びを本書から得られる。2021/01/31

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