出版社内容情報
微小地震が増加している糸魚川―静岡構造線断層帯、東京でマグニチュード七・四の大地震を起こすリスクがゼロではない立川断層、豊かな水文化を生み出した京都の断層帯……。本書では阪神・淡路大震災や熊本地震などについて事前に警鐘を鳴らしていた京大元総長が、活断層の現状と基本知識を平易に解説。口絵にはカラーで日本全国の活断層の地図を掲載する。
活断層は怖いという概念が一般的になっていると思われるが、実は活断層のおかげで私たちは豊かな暮らしをしている面もある。本書では、活断層のそのような一面も紹介する。活断層が動いて大地が大きく揺れるのは10秒ほど。一つの活断層がまた動くのは1000年以上先。10秒の揺れを乗り切れば、あとは活断層の恩恵を受けて暮らせるのである。防災を担当する役所の方が著者の話を聞いて、「1000年楽しく10秒怖い活断層」と書いて掲げたことがあるそうだ。
本書ではそのほか、活断層の見つけ方、地震の備え、地震の予報などについても語る。
【本書の主なトピックス】
■阪神・淡路大震災の前に存在した「まぼろしの報告書
■原子力発電所と活断層
■活断層の調査方法
■活断層のない地域
■海底の活断層――とびきり異質な南鳥島
■中国海城地震の予報成功から50年
(1975年、中国・遼寧省でM7.3の大地震が発生。地震の前兆をつかみ、住民が避難活動を行ったことで、人的被害を抑えることができた)
■安全と安心で豊かな暮らしを
【目次】
内容説明
日本の地下で何が起こっているのか?微小地震が増えている糸魚川―静岡構造線断層帯、東京でマグニチュード七・四の大地震を起こすリスクがゼロではない立川断層、豊かな水文化を生み出した京都の断層帯…。本書では阪神・淡路大震災や熊本地震などについて事前に警鐘を鳴らしていた京大元総長が、活断層の現状と基本知識を平易に解説。活断層の見つけ方、地震の予報、地震の備えについても語る。
目次
第一章 活断層が起こす地震
第二章 大地震が終わった活断層
第三章 活断層を見つける
第四章 活断層とともに暮らす
第五章 地震の種類と仕組み
第六章 地震の予報
第七章 安全と安心で豊かな暮らしを
著者等紹介
尾池和夫[オイケカズオ]
京都大学名誉教授。地球科学者。専門は地震学。京都大学博士(理学)。1940年東京生まれ、高知育ち。63年、京都大学理学部地球物理学科を卒業。88年理学部教授。京都大学第24代総長、京都芸術大学学長、静岡県立大学学長を務めた。地震学会委員長、日本ジオパーク委員会委員長、政府の東京電力株式会社福島第一原子力発電所における事故調査・検証委員会委員などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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