出版社内容情報
戦前から政財界の重鎮や文人に愛された強羅温泉にあって、旧閑院宮の別邸跡地に立地し、伝統的な和の素材を用いつつ現代的な感覚でひときわ洗練された高級老舗旅館「強羅花壇」。こんこんと湧き出る温泉、厳選した旬の食材でつくられる懐石料理、趣向を凝らした客室の数々は、国内のみならず海外のお客様からも人気を博している。1947年に祖父母が創業、孫の藤本三和子氏が1989年に受け継いだ当館は、「古きよき日本の美意識と意匠を大切にしつつ、まったく新しい旅館を誕生させよう」との思いから、さまざま創意工夫を重ね、日本を代表する旅館に成長した。元女将が語るその歴史と伝統・、おもてなしの神髄を、日本を代表する写真家・三好和義氏が長年カメラ収めてきた四季折々の旅館のたたずまいとともに紹介する。全編英訳つきのフォトエッセイ集。
内容説明
箱根の森にたたずむ高級温泉旅館。その最高のおもてなしと室礼。稀代の写真家が四半世紀にわたり撮り続けた四季の移ろいとお部屋のたたずまいに、元女将が思いを綴る。
目次
思い出がつまった箱根の地
美しいものに導かれて
別荘からのスタート
イタリア語が運んでくれた新天地
名旅館を目ざす
日本の美を大切にしつつ快適な空間を
若き建築家との出会い
こだわったのは「自分が心地いいこと、楽しいこと」
無駄な空間の「贅」
日本の土と技が光る瓦
宮様の洋館の美しさを今に
こんこんと湧き続ける源泉
伝統職人たちの匠の技を生かして
季節の懐石料理をこだわりの器で
花、花、花…
メイド・イン・ジャパン!
着物に込めたおもてなしの心
すべてはお客様に喜んでいただくため
おもてなしとは
人の笑顔を見ることが嬉しくて…
人から人へ評判が伝わって
一つひとつの出会いが宝物ものです
著者等紹介
藤本三和子[フジモトミワコ]
「強羅花壇」元女将。東京生まれ。イタリア語の通訳やイタリア関係の仕事に従事した後、1989年、新生「強羅花壇」をオープンさせ日本を代表する旅館に育て上げる。海外にアンテナを張り、建築や芸術に対する知見を深め、「強羅花壇」にその美学を凝縮させたといわれる
三好和義[ミヨシカズヨシ]
写真家。1958年、徳島市生まれ。85年にデビュー写真集『RAKUEN』を出版、この作品で木村伊兵衛写真賞を当時最年少で受賞する。以降、「楽園」をテーマに撮影を続け、日本の四季や伝統美にも「楽園」を見出し、仏像から日本の世界遺産まで幅広く撮影(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。