出版社内容情報
2023年10月に始まったガザ等でのイスラエルと親イラン勢力の軍事衝突、24年11月の米大統領選でのトランプ再選、更には12月の尹錫悦(ユンソンニョル)韓国大統領の弾劾訴追やシリア・アサド政権の崩壊などにより、国際情勢はますます混迷の度を深めている。本書は、こうした国際情勢をめぐる諸問題一つ一つを簡潔に、しかしある程度詳しく、しかも分かり易く解説したものである。
ただし、これまでの国際情勢解説書にはない切り口、すなわち各項目の冒頭に悪魔と天使が登場するというユニークな構成を採用している。悪魔は個々の国際情勢について「公式見解」ではない、場合によっては悪意に満ちた分析や陰謀論を読者にささやく。これに対し、天使は「それは違う」とばかり、より正統で常識的ながら、往々にしてあまり面白くもない分析や結論をさえずる。天使のさえずりが常に正しく、悪魔のささやきが常に間違っているという保証はない。悪魔と天使の意見が出揃った後、個々の国際情勢の現状を著者が詳しく解説し、最善と考えられる解答を示す。
トピックス3項目(イスラエル・ハマース戦争と中東問題、ウクライナ戦争、AI技術の規制)と、各国・地域情勢、グローバルサウス台頭や国連などのワールドワイド問題までの44項目、計47項目の重要問題を「外交のプロ」が解説。100点以上の地図、図表、写真を交え、ポイントがひと目でわかる。
『世界情勢地図を読む』(2023年3月刊)を大幅リニューアルした新訂版。
内容説明
グローバルリスク時代の重要問題を「外交のプロ」がコンパクトに解説!100点以上の地図、図表、写真で、ポイントがひと目でわかる。ガザ戦争、ウクライナ戦争からAI問題までの47テーマ。
目次
第1章 国際情勢を学ぶために不可欠の視点―歴史の大局観(大局観をもつ 80年の「戦間期」が終わり、主要国の指導者が判断ミスを繰り返す)
第2章 「静止画」から「動画」へ―今世界で何が起きているか(イスラエル・ハマース戦争と中東情勢 第5次中東戦争は勃発するのか;ウクライナ戦争 戦略的判断ミスをしたロシアに出口はない ほか)
第3章 各国・地域編(アメリカ 社会の分断はこれまで何度も起きていた;イギリス 中国抑止を念頭にイギリス海軍が太平洋に帰ってきた ほか)
第4章 ワールドワイド編(サイバー戦 日本はこの種の脅威に対しあまりにお粗末;国際連合など国際機関 国連に代わってG7やNATOが一定の役割を果たしている ほか)
著者等紹介
宮家邦彦[ミヤケクニヒコ]
1953年、神奈川県生まれ。東京大学法学部を卒業後、外務省に入省。外務大臣秘書官、在米国大使館一等書記官、中近東第二課長、中近東第一課長、日米安全保障条約課長、在中華人民共和国大使館公使、在イラク大使館公使、中近東アフリカ局参事官を歴任。2005年8月外務省を退職し、外交政策研究所代表を務める。2006年4月より立命館大学客員教授。2006年10月~2007年9月、安倍内閣で総理大臣公邸連絡調整官。2009年4月~2023年10月、キヤノングローバル戦略研究主幹、2023年11月より、理事・特別顧問。2020年10月~2024年10月、内閣官房参与(菅、岸田内閣)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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