PHP新書<br> なぜ私たちは存在するのか―ウイルスがつなぐ生物の世界

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PHP新書
なぜ私たちは存在するのか―ウイルスがつなぐ生物の世界

  • 宮沢 孝幸【著】
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  • PHP研究所(2023/04発売)
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  • サイズ 新書判/ページ数 232p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569854182
  • NDC分類 465.8
  • Cコード C0245

出版社内容情報

ウイルス学者は、ウイルスを作り出すことができます。
感染細胞から、ウイルスのタンパク質の設計図が書いてあるDNAをとってきて、それをプラスミドという大腸菌内の環状DNAに入れて増殖させるのです。あくまで物質であるDNA(デオキシリボ核酸)を、「生命の場」である細胞に入れてやると、ウイルスとなる。まるで生物と物質の境界を行き来するような実験です。ウイルスは、私たちがもっている生命観からはみ出てしまうような存在なのですが、本当に例外的なのでしょうか?
さらにウイルスは、ある動物のDNAを、別種の動物のDNAに運ぶことがあります。レトロウイルスはまさに現在進行形で、コアラのゲノムに入り込んで、そのDNAを変えようとしています。一方、人間の腸内には約1000種、100兆個から1000兆個もの細菌が住んでいます。このような例を考えると、生物の世界は「種」あるいは「個体」が独立した世界なのではなく、全体で「生命の場」というものをつくりあげ、私たちは関係性の中で生きているといえるのではないでしょうか。
本書は、「生命には場が必要であり、実は全体で一つ」「ウイルスが生命をつないでいて、生命の場を提供している」「個という概念をもつことは生物学的に正しいのか」といったテーマについて、ウイルス学者の視点から考えます。


■1年以上、生死について考えて苦しんだ/■ウイルスを作る/■ウイルスを排除することはできるか?/■細胞間情報伝達粒子がウイルスになった?――エクソソームがウイルスの起源なのか……/■さまよえる遺伝子/■種はどのようにして分かれていくのか/■現代のコアラはタイムマシーンか――種の壁を越えていくウイルスの現場/■個とは何か/■生命が生まれたのは必然か偶然か

内容説明

ウイルス学者は、ウイルスを作り出すことができる。ウイルスのDNAをプラスミドというDNAに入れて、増殖させるのである。あくまで物質であるDNA(デオキシリボ核酸)を、「生命の場」である細胞に入れるとウイルスとなる。まるで生物と物質の境界を行き来するような試みである。さらにウイルスは、ある動物のDNAを別種の動物に運ぶことがある。一方、人間の腸内には約1000種もの細菌が住んでおり、人体のことを「超個体」と呼ぶ人もいる。このような例を考えると、生物は全体で「生命の場」を作り上げ、私たちは関係性の中で生きているといえるのではないか。生物という存在の不思議に迫る意欲作。

目次

第1章 ウイルスを作る―ウイルスは物質なのか生物なのか?
第2章 病原性ウイルスの研究
第3章 ウイルスを排除することはできるか?―天然痘を撲滅できた数多くの幸運
第4章 細胞間情報伝達粒子がウイルスになった?―エクソソームがウイルスの起源なのか
第5章 レトロウイルスの起源と本来の役割
第6章 遺伝子の平行移動(ラテラル・ジーン・トランスファー)
第7章 現代のコアラはタイムマシーンか―種の壁を越えていくウイルスの現場
第8章 なぜ小さな恐竜も絶滅したのか?
第9章 場と生命、そして宇宙

著者等紹介

宮沢孝幸[ミヤザワタカユキ]
京都大学医生物学研究所准教授。1964年東京都生まれ。兵庫県西宮市出身。東京大学農学部畜産獣医学科にて獣医師免許を取得。同大学院で動物由来ウイルスを研究。東大初の飛び級で博士号を取得。大阪大学微生物研究所エマージング感染症研究センター助手、帯広畜産大学畜産学部獣医学科助教授などを経て現職。日本獣医学学会賞、ヤンソン賞を受賞。2020年、新型コロナウイルス感染症の蔓延に対し、「100分の1作戦」を提唱して注目を浴びる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

速読おやじ

23
超文系人間には難解で、飛ばし読みをしたのだが、なるほどと思った説は、「ウイルスは遺伝子を運ぶ」という考え方。天然痘の撲滅には条件が揃っていたーヒトだけに感染、持続感染が起きない、変異が起きにくいDNAウイルス(コロナやインフルはRNAウイルス)、一回のワクチン接種で有効、熱に弱い、感染すると必ず発症する、というもの。ということは殆どのウイルスは人類と共存する。8章の恐竜はゲノム改編に失敗して絶滅したという仮説も面白い。哺乳類は成功したと。ゲノム改編にはウイルスが遺伝子を運んでいたのだという。興味深い。2023/05/26

くものすけ

16
単細胞生物から進化して哺乳類、人類に至るまでその細胞レベルではウィルスの働きが必須だと解説して頂いた(生命の摩訶不思議な世界)興味はとても湧いたが、いかんせんかなり高度な専門分野の蘊蓄も多い為、2、3回再読は必須のように思われる(それでもダメかも…)2025/04/13

umeko

15
非常に興味深く面白かった。門外漢の私は学びながらの読書であるが、ウイルスがこんなにも面白いものかと興味が尽きない。コアラや恐竜の章は面白く読んだが、「個」に対して言及には深く考えさせられた。「なぜ私たちは存在するのか」、そのタイトルの壮大な問いに対する答えの一端をつかめた。2023/04/01

KAN

12
PHP新書で書かれた本書を含む著書の三冊の中で結論的でもあり、ウイルスから生命のあり方、歴史、そしてヒトの存在意義まで考察される著者らしい一冊。コロナ過であろうが、どんな状況でも著者の一貫した学者であり、人間としての良心が感じられてよかった。ゲノム編集ができる時代となりつつも、生命の本質はそれだけでは左右できない、人間の生命全体、宇宙全体の存在に対する尊敬、謙虚さが必要なのだと感じる。2023/07/12

九曜紋

9
ウイルス学者による生命論。人間、そして生物はなぜこの世に存在するのだろう?誰しも一度はそんなことを考えたことがあるはずだ。この地球における生命の誕生は偶然か必然か?信心深い人、特にキリスト教徒なら「それは神が創造したからだ」と答えるだろう。科学者である著者は勿論そんな言辞は弄しない。生物と無生物の中間的存在ともいえるウイルスの研究を通して得た著者の生命観は意外にも諸行無常、諸法無我という極めて仏教的なものだった。人類と病気との闘い、絶滅の危機に瀕するコアラ、恐竜絶滅の真相など豊富なテーマが飽きさせない。2023/06/06

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