出版社内容情報
「早くして。何分かかってるの!?」「何よ、その目……」。四歳の娘マミちゃんの食事の時にイライラしてしまった咲希さんは、思わずマミちゃんを拳で叩いてしまいます。その拍子に椅子が転倒し、マミちゃんの額には痣が……。その痣を保育園が発見し、児童相談所によりマミちゃんは「保護」されることに。児童相談所で咲希さんは「あれはしつけだ」と言って虐待を認めません。この時、咲希さんは心の中で何を求めているでしょうか。支援者が彼女に対してできることは、何でしょうか。
虐待した親と、その子を再び結びつける活動を行っている著者が、親子の「安心基地」をつくるために必要なことを語ります。
たとえば、虐待した親とのコミュニケーションでは、中途半端なスキルを使っても、親との「回路」を開くことはできません。ここで言う「回路」とは、親と対話ができる、お互いに話を聞くことができる信頼関係といった意味です。
① 「子どもってね、〇〇ですよね」と一般化する/② 「よく頑張っているね。すごいね」と褒めるように心がける/③十分に話を聞かずにアドバイスをする/④ 「また言ってるな」と取り合わないようにする/⑤よくわかってもらうようにと、丁寧な説明を頻繁にする/⑥ 傾聴に終始する
これらは支援者が日常的に使っている支援のスキルです。ですが、実は「親との『回路』のできない働きかけ」です。このような対応は親とのつながりを生まず、親と支援者とを遠ざけます。
では、支援者はどのように親や子に接するのが望ましいのか。児童虐待に携わる仕事をされている方はもちろんのこと、一般の家庭や学校、さらには職場のコミュニケーションにおいても大切な「観察」の習慣について、多くの困難を経験した上で得た知見を伝えます。
内容説明
「早くして。何分かかってるの!?」「何よ、その目…」。四歳の娘マミちゃんの食事の時にイライラしてしまった咲希さんは、思わずマミちゃんを拳で叩いてしまう。その拍子に椅子が転倒し、マミちゃんは額に痣をつくる。やがて保育園が痣を発見し、児童相談所によるマミちゃんは「保護」されることに。咲希さんは「あれはしつけだ」と言って虐待を認めない。この時、咲希さんは心の中で何を求めているのか。支援者が彼女に対してできることとは?虐待した親と、その子を再び結びつける活動を行っている著者が、親子の「安心基地」をつくるために必要なことを語る。
目次
第1章 まず、一組の親子から
第2章 親から見える世界―子どもを保護された親
第3章 子どもから見える世界
第4章 支援者から見える世界―親と子を支援する人たち
第5章 親子への支援の実際―どのような支援がなされているのか
第6章 親、養育者への支援が、子どもへのギフトに
著者等紹介
宮口智恵[ミヤグチトモエ]
神戸大学大学院総合人間科学研究科前期博士課程修了。児童相談所で勤務後、2007年に(特)チャイルド・リソース・センターを設立。21年より認定NPO法人。同法人は設立時より、児童相談所の委託を受けて、虐待などの育児に困難を抱える親とその子どもに「親子関係再構築プログラム」を提供する活動を開始。日本初の取り組みであり、これまで250組以上の親子にプログラムを提供した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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