出版社内容情報
戦国を勝ち抜いた男の卓越した外交戦略が、この国を平和に導いた――。
今川家での苦難の人質時代、太原雪斎から天下国家のあり方、外交論を教わった竹千代。長じてのち、天下分け目の決戦を制した徳川家康が、雪斎の教えを胸に目指したものこそが、諸外国との対等な外交であった。豊臣秀吉によって途絶えた朝鮮との国交回復、さまざまな思惑をもって来日する西欧諸国との交渉、そしてメキシコへの野心……。知られざる家康の後半生を、その外交戦略を支えたイギリス人航海士のウィリアム・アダムス、家康の庇護を受けながらもキリスト教徒としての信仰を貫いた朝鮮貴族の娘・おたあの視点を交えて描き切った、感動の歴史ロマン。
内容説明
戦国を勝ち抜いた男の外交戦略がこの国を平和に導いた。西欧諸国の思惑、朝鮮との国交回復…ウィリアム・アダムスと朝鮮貴族の娘・おたあの視点を交えて、徳川家康の知られざる姿を描く感動の歴史小説。
著者等紹介
植松三十里[ウエマツミドリ]
静岡市出身。東京女子大学史学科卒業。出版社勤務、7年間の在米生活、建築都市デザイン事務所勤務などを経て、作家に。2003年に『桑港にて』で歴史文学賞、09年に『群青 日本海軍の礎を築いた男』で新田次郎文学賞、『彫残二人』(文庫化時に『命の版木』と改題)で中山義秀文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
202
植松 三十里、初読です。今年の大河ドラマが「どうする家康」ということで、昨年から今年にかけて家康本が沢山出版されています。私も何作か読んでいますが、本書のテーマは晩年の徳川家康の外交・宗教政策、物語の内容が大変新鮮で、ウィリアム・アダムスやおたあらのドラマも感動的でした。 https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-85358-12023/02/15
さつき
73
物語は秀吉の朝鮮出兵のあたりから始まる。ジュリアおたあがメインどころで登場する作品はなかなか無いので新鮮に感じました。ウィリアム・アダムスのようにはるばる海を越え何年もかけて来日する人々がたくさんいたのだと思うと、その野心冒険心の強さに驚かされます。宗教がその熱意の大きな理由の一つである事は、私にはなかなか実感が湧きません。晩年の家康がどんな外交政策を持っていたかは興味深いし、三河一向一揆の経験からキリシタン浪人を強く警戒していただろうことも納得のいく話しでした。2023/10/29
えみ
69
それを海に託した。その選択が失敗だったか、成功だったか…歴史の中でその結論が出されるのは、その選択が過去になってから。そしてそれを決めるのは歴史となって評価できるようになった未来の人々だけである。すなわち家康が行った貿易、鎖国、そしてキリシタン禁制が日本へもたらした影響は意味があったのかという評価。個人的にはこの制度があったからこそ現代の日本があり、当時の平和を維持したと…成功だったと思っている。特に家康に仕えたイギリス人のウィリアム・アダムス(日本名:三浦按針)との関係や夢が日本の海を支えたと信じてる。2022/12/24
つきかげ🌙
18
家康と三浦按針の物語。 大河ドラマで触れなかったエピソードが多く、読んでて面白かった。 家康は本当に先の先まで読んでいたのだなと思った。2023/12/31
にゃほまん
11
家康公の外交とキリシタンに焦点をあてたお話。ただちょっと家康公がイイヒトすぎる気もするけど。。。でも天下人とは、戦でも秀でて外交もそつなくこなしキリシタンの扱いも上手くないと国をまとめていくのは無理なので彼の偉大さが良くわかる内容でした。植松本は読みやすいしオモシロイしハズレがないので好きな作家さんです!2023/04/12
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