出版社内容情報
なぜ、日本は欧州の戦争に巻き込まれ、英米と戦うことになったのか。大戦の勝者は「共産主義」ソ連という視点から、歴史を読み解く。
内容説明
英文資料を読み込むこと30年―孤高の歴史家が描く諜報・情報戦の真実。日本はなぜ滅亡寸前まで追い込まれたのか?スターリン、ルーズベルト、チャーチル…戦争好きな「偉人」たちの野望と不義。
目次
序章 スペイン内戦と作品に隠された政治思想
第1章 ソビエトのスパイ工作とルーズベルトの能天気
第2章 日米開戦前夜の事件
第3章 英米の工作と真珠湾攻撃―第二次世界大戦を読み解く六つのファクター
第4章 原爆投下をめぐる狂気
第5章 戦争指導者たちの死
終章 戦争のリアリズム
著者等紹介
渡辺惣樹[ワタナベソウキ]
日米近現代史研究家。1954年生まれ。静岡県下田市出身。東京大学経済学部卒業。日本専売公社(現・日本たばこ産業)に勤務したのち、日米近現代史の研究を始める。米英ほか歴史資料を広く渉猟し、日本開国から日米戦争に至る日米関係史を考究。米国側の視点を取り入れつつ、この間の歴史を国際関係のなかで俯瞰した著作を上梓して高い評価を得る。カナダ在住。著書に『日米衝突の萌芽1898‐1918』(第22回山本七平賞奨励賞)(現在は草思社文庫に所収)の他、訳書がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tamami
48
本書の正式な書名は『第二次世界大戦とは何だったのか』、奥付の発行日は3月7日になっている。少し未来を先取りするような形の読書であったが、戦間期から第二次世界大戦後までの歴史が、田舎芝居の筋書きのように、当時の大国首脳という大根役者!の面々によって演じられていった様子が詳細に綴られ、超弩弓の面白さである。もっとも芝居の舞台が全世界であること、敵役に日本が含まれることを考えれば、面白がっている場合ではない。本書の主題は、第一次世界大戦後の世界を、更なる大戦争へと駆り立てたイギリス、アメリカ、ソ連の首脳と彼らを2022/02/25
KAN
19
日本の近現代史で大きなトピックは当然、第二次世界大戦による敗戦であるのは確かだけれど、いまだに東京裁判史観とか、なぜ大東亜戦争と呼んだのかとか、米国に原爆を2発も落とされるまで終戦を迎えることができなかっったとか、日本の愚かさを、軍部の横暴とかばかりが強調され、真の意味での戦争によって何が変わったのか、反省すべきなのかが、さっぱりわからない。本書はグローバルな観点でその点を考えさせてくれる。2022/03/31
大粒まろん
17
これが本当なら、ホロドモールもホロコーストもABCD包囲網も原爆投下もその場のノリで行われ。どんな国のトップも勝手に創造した大いなる見えない存在に恐れ慄き、空気を読み(なんの?)圧を恐れて悪魔と契約していく鬼畜バカばっか。2023/08/14
ちくわ
16
【♪】結局通勤時間だけでなく、ウォーキングや会社の昼食時も聴読を…耳の空き時間は意外と転がっており、概算だが月で30時間弱になり驚いた。 では感想を…今の世界はつくづく常任理事国の掌中にあると感じる。一方先の大戦で最後に降伏した日本は、今でもその事実が尾を引いてる感が拭えない。勝者=絶対善、敗者=絶対悪という歴史的価値観に、自分は昔から違和感を憶えていたが…そんな疑問に本書は少し応えてくれたかも。ただ自分は中庸なので本書は正しい!とかは無く、網羅的に事実を知った上で二元論のド真ん中を貫ければと願っている。2024/07/16
みのくま
10
本書はチャーチルやFDR、スターリンなど連合国の人物像にかなりフォーカスした歴史観が語られる。特にチャーチルに関しては、チャーチルの娘がアメリカの駐英大使にハニートラップを仕掛けていた事がアメリカの欧州戦線への参戦の決定的要因の一つであるとされる。勿論ある特定の人物が歴史を動かす事はあるのだろうが、果たしてそんな分かりやすい事が起きるのであろうか。本書の内容に妥当性があるのかどうかはぼくには判断できない。ただ、歴史の裏側ばかり探求すると陰謀論と区別が付かなくなる。この辺りはバランスが難しいので思案中である2024/09/12
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