出版社内容情報
日韓請求権協定に関わる報道に接して、韓国人の法意識に疑問を持つ人は少なくない。
著者は韓国は法よりも道徳にこだわる国だと説く。朱子学の影響で、韓国では道徳は敵を叩き潰すための武器になっている。また、韓国の前近代が王朝であり、日本の前近代が封建社会であったことの違いも大きいといえる。
道徳にこだわる社会であるために、民主主義という概念に対する捉え方も、日本と韓国では異なる。韓国における民主主義は、「道徳的社会を実現する」ためのシステムと見なされている。ただし「法を軽視する韓国の民主主義はレベルが低い」と考えるのは危険である。韓国の法曹的能力は高く、「法」に関する世界の最先端のトレンドに敏感である。その一方で、著者は韓国を国家と思わず、一つの「運動団体」と捉えたほうがよいと説く。
韓国の実像は、日本ではまだまだ知られていない。韓国を知悉する東アジア思想研究者が、この国を理解するための視座を提供する一冊である。
内容説明
日韓請求権協定に関わる報道に接して、韓国人の法意識に疑問を持つ人は少なくない。著者は韓国は法よりも道徳にこだわる国だと説く。朱子学の影響で、韓国では道徳は敵を叩き潰すための武器になっている。また、韓国の前近代が王朝であり、日本の前近代が封建社会であったことの違いも大きいといえる。ただし韓国の法曹的能力は日本よりも高く、「法を軽視する韓国の民主主義はレベルが低い」と考えるのは危険である。さらに著者は韓国を国家と思わず、一つの「運動団体」と捉えたほうがよいと論じる。韓国の実像を知るための視座が得られる一冊。
目次
第1部 韓国の行動原理(韓国を正確に認識しなくてはならない;韓国の主役はだれか;東学と北学―ダイナミズムの動力;韓国人と日本人の政治観;日韓の軍事的関係を再考する;北朝鮮というファクター)
第2部 「戦後最悪の日韓関係」をどう見るか(ニヒリズムの東アジアに未来はあるか;ジャーナリストの日韓論;よりよい日韓関係をいかに構築すべきか)
著者等紹介
小倉紀蔵[オグラキゾウ]
1959年東京生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科教授。東京大学文学部ドイツ文学科卒業、電通勤務を経て、韓国ソウル大学校哲学科大学院東洋哲学専攻博士課程単位取得退学。専門は東アジア哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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