出版社内容情報
「COVID-19の蔓延により、おそらく人類史上初めて、世界中で人間の行動の完全な同期がみられた」と哲学者マルクス・ガブリエルはいう。人々が一斉に倫理的な行動をとったことは、資本主義の行方にどのような影響を与えるのか。本書ではさらに、「国と国とのつながり」「個人間のつながり」「経済活動のつながり」を読み解き、終章で改めて個人の生のあり方を見つめ直す。
「新実在論」「新実存主義」「新しい啓蒙」と次々に現代思想を刷新する旗手が、新しい時代のビジョンを示す一冊。哲学者は、徹底した抽象的思考を行うことで、総合的で普遍的なビジョンを提示することができる存在である。ならば、ガブリエルは本書で、哲学者がなすべき仕事をしっかりと果たしたといえるだろう。
【目次より】
・ロックダウンと『リヴァイアサン』/・危機は倫理的進歩をもたらす/・ネオリベラリズムの終焉/・アメリカ人は、多様性に非常に弱い/・統計的世界観による幻想/・政治家が正しい判断を下すためには、何が必要か/・今のEUはアメリカを擬態している/・日本人はなぜ先進国の中で最も孤立している人が多いのか/・人類が最も退歩した点/・(Column)哲学者と現代のつながり
内容説明
「COVID‐19の蔓延により、おそらく人類史上初めて、世界中で人間の行動の完全な同期がみられた」と哲学者マルクス・ガブリエルはいう。人々が一斉に倫理的な行動をとったことは、資本主義の行方にどのような影響を与えるのか。本書ではさらに、「国と国のつながり」「個人間のつながり」「経済のつながり」を読み解き、終章で改めて個人の生のあり方を見つめ直す。「新実在論」「新実存主義」「新しい啓蒙」と次々に現代思想を刷新する旗手が語る、パンデミック後を見通す哲学。訪れるのは混沌ではなく、新たな倫理観を備えた世界だ。
目次
第1章 人とウイルスのつながり(同期化した世界;2019年以前の秩序は終焉した ほか)
第2章 国と国のつながり(トランプの敗北;なぜ人々は陰謀説を信じるのか ほか)
第3章 他者とのつながり(自己を押し付けるソーシャルメディア;日本人特有のコミュニケーション ほか)
第4章 新たな経済活動のつながり―倫理資本主義の未来(浸透する倫理資本主義;なぜ今、倫理資本主義なのか)
第5章 個人の生のあり方(新実存主義の人間観;「神聖さ」が生じるとき ほか)
著者等紹介
ガブリエル,マルクス[ガブリエル,マルクス] [Gabriel,Markus]
1980年生まれ。史上最年少の29歳で、200年以上の伝統を誇るボン大学の正教授に就任。西洋哲学の伝統に根ざしつつ、「新しい実在論」を提唱して世界的に注目される。著書『なぜ世界は存在しないのか』(講談社選書メチエ)は世界中でベストセラーとなった。さらに「新実存主義」、「新しい啓蒙」と次々に新たな概念を語る。NHKEテレ『欲望の時代の哲学』等にも出演
大野和基[オオノカズモト]
1955年、兵庫県生まれ。大阪府立北野高校、東京外国語大学英米学科卒業。79~97年渡米。コーネル大学で化学、ニューヨーク医科大学で基礎医学を学ぶ。その後、現地でジャーナリストとして活動。97年に帰国後も取材のため、頻繁に渡航。世界的な識者への取材を精力的に行っている。著書、訳書、編書、多数
〓田亜樹[タカダアキ]
東京都生まれ。国際基督教大学教養学部卒業後、同大学大学院行政学研究科博士前期課程修了。大学院在学中よりCNNの通訳をはじめ、多数の通訳・翻訳業務をこなす。オックスフォード大学大学院で政治学修士号を取得後、日本政府国連代表部専門調査員、国連開発計画コンサルタントなどを経て個人事業を経営。現在は日本国際基督教大学財団アソシエート・ディレクター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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どんぐり
Aya Murakami
ムーミン
kazi
速読おやじ