出版社内容情報
地球環境問題、テロや地域紛争、反社会的な事件、経済危機、企業破綻……。東西冷戦が終わり、「希望の二一世紀」を迎えるはずだった世界と日本は、期待に反して、いくつもの大きなトラブルに見舞われました。
そのような状況において、地球全体、あるいは国家として企業としてどう対処すべきか。また一人ひとりの考え方や行動をどのように変化させ、問題解決を図っていくか。人類の叡智が問われるようになります。
そこで1990年代半ばから2000年代にかけて、日本を代表する経営者である京セラ名誉会長の稲盛和夫氏と、当代随一の知識人である哲学者の梅原猛氏(2019年1月逝去)に、現代文明の在り方について、継続的に対論を行って頂きました。そこから問題解決へのヒントを、深くわかりやすく、日本人に提案して参りました。
本書は、お二人の叡智の結晶である3冊の対論書籍、『哲学への回帰』(1995年9月発刊)、『新しい哲学を語る』(2003年1月発刊)、『人類を救う哲学』(2009年1月発刊)を集大成したものです。各書籍は発刊後、それぞれの時代、社会にインパクトを与え、多くの読者の支持を得た名著になります。
ただ残念ながら、3冊の書籍で訴えてきた「地球環境問題の解決」「倫理観の高い資本主義の創造」「〝働く意義〟の再構築」「一神教的世界観から多神教的世界観への転換」「日本人の道徳心の復興」などの諸問題は、いまだ解決に至っておりません。
そしていまこの時においても、人類社会には地球規模での大きな変化が日々発生し、解決すべき問題が山積して、われわれのもとに押し寄せてきています。
そこであらためて、迷走する現代社会に対して、はっきりとした道筋を提示することが重要であろうと考え、『完本・哲学への回帰』の発刊を進めました。〝希望と幸福に満ちた〟世界、日本の再構築に向け、読者の皆様には、ぜひ再びお二人の叡智からヒントを得て頂ければ幸いです。
内容説明
地球環境問題―進歩から循環の思想へ。正しい倫理観に基づく資本主義。“働く意義”の再構築。日本人の道徳心の復興…歴史を洞察し、世界と日本の課題を解決。
目次
第1部 哲学への回帰(混迷の中でわれわれは何をなすべきか;資本主義の倫理と独立自尊の精神;共生の哲学と循環の思想;心の教育を目指して;「行き詰まりの時代」を開く方法―梅原猛)
第2部 人類を救う哲学(文明の崩壊が始まった;アメリカ文明は正しいのか;「進歩」から「循環」の思想へ;世界連邦政府を樹立せよ)
第3部 新しい哲学を語る(道徳の復興こそ急務;働く意義と「利他」の精神;宗教を見つめ直すとき;宗教と人類の未来;哲学をベースとする社会を)
著者等紹介
稲盛和夫[イナモリカズオ]
1932年、鹿児島県鹿児島市生まれ。鹿児島大学卒。1959年、京都セラミック株式会社(現京セラ)を設立。社長、会長を経て、名誉会長を務める。1984年、第二電電(現KDDI)を設立、会長に就任(現最高顧問)。2010年、日本航空再建のため、会長に就任(現名誉顧問)
梅原猛[ウメハラタケシ]
1925年、宮城県仙台市生まれ。2019年逝去。京都大学卒。哲学者。京都市立芸術大学学長、国際日本文化研究センター初代所長などを務める。1999年、文化勲章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ふじこ
Hiroki Nishizumi
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Tomomi