出版社内容情報
巷間、多くの武士道の書物や武士に関する小説が出回っている。だが、現代人が書いた武士道に関する書物の多くは、実際に武士が語った原典をほとんど読まぬまま書かれているようである。武士を近代的な感覚で描いているものもあり、そこから武士の生き方を思い描いてしまうと、武士の実像を大きく見誤ることになる。本書で論じている武士道とは、あくまでも実際に現場で刀を振るって血まみれになり、武士として生き抜いてきた人々が形づくった「現場の感覚から出た思想」、すなわち、本当の武士道である。かつて実際に世に存在していた武士たちには、功利や損得哲学よりも、はるかに大切にしていた精神や価値観があった。現場の感覚をふまえた武士道は、どういうものであるか。その道徳とはどのようなものか。そして、それらは現代を生きる日本人にいかなる「力」を与えてくれるのか。武士が語った原典を確認しながら、その「死の覚悟」の基底にあるものに迫る。
内容説明
かつて実際にこの世に存在していた武士たちには、功利や損得哲学よりも、はるかに大切にしていた精神や価値観があった。武士たちが最終的に守ろうとした「道徳」とは何か。それは、現代に生きる日本人にいかなる「力」を与えてくれるのか―。武士が語った原典を確認しながら、その「死の覚悟」の基底にあるものに迫る。
目次
第1章 「本当の武士道」とは何か―脇差心と死に狂い
第2章 「道」の思想と日本人の哲学―同一性と精神性
第3章 「最強の武士」になるための奥義―やさしさと強さは一つである
第4章 『朝倉宗滴話記』の思想―「手の外なる大将」の嘘と真実
第5章 武士道の敵は司馬遼太郎―「功利」「損得哲学」の行き着く先
第6章 日本人が本当に望み、理想とした生き方―皇室とサザエさん
著者等紹介
菅野覚明[カンノカクミョウ]
1956年生まれ。1979年、東京大学文学部倫理学科卒業。同大学院博士課程単位取得退学。専攻は日本倫理思想史、倫理学。東京大学大学院人文社会系研究科教授、皇學館大学教授を歴任。現在、皇學館大学特別招聘教授、東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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