出版社内容情報
日銀前副総裁が怒りの緊急提言! 20年続いたデフレを止めるには消費税10%を凍結して日本国民にお金を撒くしかない!
内容説明
多くの人は「物価が下がるのはよいこと」と思っている。だが、デフレで物価が下がるのは悪いことずくめ。失業率が上がり、雇用が不安定な低賃金・非正規社員を増やす。企業収益率を下げ、人件費を削減させる。借金の実質負担は重くなり、実物資産投資は抑制される。有用な企業が廃業・倒産してイノベーションが滞る。「デフレなど問題ではない」という経済学者は、失業者や非正規社員の苦しみを知らない。欧米と異なり、日本の経済学者はデフレの脅威に鈍感だ。アベノミクスを実行した元日銀副総裁による、失われた二十年を「三十年」にしないための覚悟の書。
目次
第1章 デフレ脱却なくして日本経済の再生なし
第2章 デフレはなぜ脅威なのか
第3章 「失われた二十年」の原因とアベノミクス
第4章 金融政策の条件と日銀財務に関する誤解
第5章 財政政策のリフレ・レジームへの転換が必要だ
第6章 成長戦略の基本原則とは
著者等紹介
岩田規久男[イワタキクオ]
1942年生まれ。東京大学経済学部卒業、同大学院単位取得満期退学。学習院大学経済学部教授などを経て、2013年4月から5年間、日銀副総裁を務める。学習院大学名誉教授。専門は、金融論・都市経済学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まゆまゆ
16
90年代以降低迷を続ける名目成長率と名目GDP。その原因はデフレであることと、デフレを解消できなかった日銀による金融政策にある、と語る内容。現在の黒田総裁前の日銀総裁は構造改革無くしてデフレ脱却なし、のマインドであり、日銀が本気でデフレ脱却するという期待を人々に抱かせることができず、結果デフレマインドが続いた。2012年以降は金融政策効果で失業率や実質賃金といった各種労働指標が改善しているのは周知のとおり。今こそ規制緩和を始めとした構造改革の着手が必要だが、政治的にも難しい、のだろうか……2019/07/02
templecity
12
現日銀副総裁である岩田規久男が過去の日銀政策の誤りを指摘。それでも民主党時代に比べ、アベノミクスの数値から見た効果は出ている。 2019/11/16
小鳥遊 和
3
米ニューディール期にケインズ派のデフレ対策「リフレーション」が一定の成功を見た。これに学ぶ日本の「リフレ派」はアベノミクス初期に著者を中心に力を振るった。現在著者は非主流派の位置から「有名経済学者、歴代日銀総裁、官僚、石破ら政治家、俗流経済評論家、メディアも国民も何も分かってない」と嘆き理解者に向けて発信している。専門家・権力者の多くが分かっていないなら、有効な金融・財政政策が実行される可能性は低い。著者の「脱デフレでモノが売れ労働・資本の稼働率が上がれば技術進歩率も上がる」との説は魅力的なのだが。2025/05/30
moshimoashitaga
1
所々難しい箇所があったがとにかくテフレは悪と言うこと。 アベノミクス批判は間違っている。2023/12/19
藤田武彦
1
デフレになると、失業率が増加する。 グラフは面白い。 アベノミクスで日銀副総裁を務めた著者。 マクロ経済の話に終始。 具体的な話に踏み込んでいる、『「日本型格差社会」からの脱却』、の方が面白いかな。2023/11/05
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