内容説明
日本人の多くは、民主主義のお手本とされるフランス革命が、大虐殺やカオスを生み出し、世界史的な悲劇をもたらしたことを知らない。一方、実は日本こそ、現存する最古の民主国なのである。天皇のもと、各時代の為政者は、民の意見を積極的にすくいあげ、人々の幸せを求めて「徳治政治」を実践してきた。本書では、フランス、アメリカ、イギリス、古代ギリシャと日本を比較して、「日本型」の素晴らしさを再発見。さらに世界へ「民主主義のお手本」を提示する。通説のウソを暴き、歴史の真実を解き明かす竹田節満載!驚きと知的発見の書。
目次
民主主義を正しく機能させるために
日本は世界最古の民主国
フランス革命は人類の汚点
日本は「革命」となぜ無縁だったのか
国民は「神」であるという物語
全知全能の神は日本にいるか
イギリスの保守主義とは
「啓蒙せよ」とルソーはいった
西洋の人権は神が与えたもの
万人の闘争をいかに止めるか
人間が、掛け替えのない存在であり続けるには
失敗に終わった古代アテネの試み
「借り物」から「本物」へと進化するために
著者等紹介
竹田恒泰[タケダツネヤス]
昭和50年(1975)、旧皇族・竹田家に生まれる。明治天皇の玄孫に当たる。慶應義塾大学法学部法律学科卒業。専門は憲法学・史学。作家。平成18年(2006)に著書『語られなかった皇族たちの真実』(小学館)で第15回山本七平賞を受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
柊
8
いやもうほんと学生時代にちゃんと勉強してればフランス革命がいかに凄惨なものだったか分かるのに、いまだ「自由を勝ち取りし人類の大きな前進」みたいな論調で引っ張られてるのが謎すぎる。自由とやらを勝ち取ったのはまあそうなんだけど、抑圧されまくって開放感の飢餓状態だった民衆がその後、革命なんか起こさないほうが良かったと思うまでの殺戮を起こしたことを見れば、どう考えても「輝かしい人類の1ページ」なんかじゃあないでしょう。2020/11/28
JUN
7
日本に独自の民主主義の理解が存在する。それは「和の精神」で端的に表現すれば「調和を重んじる価値観」「自分のことは後回しにして皆のために行動する精神」。2023/03/31
tnyak
5
日本型民主主義について、分かりやすく解説された良書。次の二文、しっかり頭の中に入れておきたい。『天皇と国民が一体となりながら、ともに国を統べる「君民共治」こそ日本の伝統的な統治形式なのです』『日本人は何をもって民主主義の理解の範とすべきか。答えは「和」です』2019/05/05
jin
3
理性とは大声で語ることの内にあるのではない。本当の理性はよく聞くことの内にある。2019/05/08
ヘミングウェイ・ペーパー
2
西洋では「国民は王の私物」にすぎず、君と民の利害は相反し、不満を感じた国民が暴動や反乱を起こすという歴史があるが、日本は「君民一体」であり、天皇と国民が対立した歴史は一度もなかった。初代神武天皇の詔にある「八紘為宇」という言葉に求められるように、日本型民主主義には「和の精神」があった。民主主義という「道具」は包丁と同じく使い方によっては悲惨な凶器にもなる(p.33)、民衆の考えがつねに正しいというのは幻想(p.51)、民衆には「熱狂に流されやすい」という欠点がある(p.220) ということを知っておこう。2021/02/01