出版社内容情報
地方の衰退は、カネや仕事不足の問題ではない。「都市の正義」の産物である「地方創生」の現状を検証、地方の本来の価値を見直す。
山下 祐介[ヤマシタ ユウスケ]
著・文・その他
内容説明
地方を救うため、まず最初に行なうべきは、地方に仕事をつくること。「地方創生」はこの方針を掲げさまざまな取り組みを行っているが、地方にはすでに仕事がある。しかもそれは第一次産業や建設業など、日本人の日々の暮らしに必要不可欠のものだ。問題はそうした仕事の「職業威信」が低いことである。田舎の仕事は威信が低く、都会の仕事は威信が高い。そうした価値観は、いかにして醸成されてきたのか。さらに「選択と集中」「競争と淘汰」など、止むを得ないと見なされる「都市の正義」がはらむ罠を、地域社会学者が鋭く指摘する。
目次
第1章 検証・「地方創生」(日本創成会議の「地方消滅」論;政府の「地方創生」論)
第2章 都市化がもたらす人口減少(人口減少社会の正体;大都市圏の暮らしと地方の仕事―東京一極集中の正体 ほか)
第3章 東京から見た地方創生(「東京だけが頑張っている」という誤解;地方創生を首都圏から考える ほか)
第4章 都市の正義が地方を壊す(「地方消滅」から四年の経験;都市の正義から、多様なものの共生へ ほか)
第5章 人口減少を克服するための地方創生とは(みなで負担し、みなで享受する制度―社会の回復;地方創生の問題解決サイクルを検証する ほか)
著者等紹介
山下祐介[ヤマシタユウスケ]
首都大学東京都市社会学部准教授。1969年生まれ。九州大学大学院文学研究科博士課程中退。弘前大学准教授などを経て現職。専攻は都市社会学、地域社会学、農村社会学、環境社会学。東北の地方都市と農山漁村の研究を行い、津軽学・白神学にも参加(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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