出版社内容情報
宗教とは何か? 仏教、キリスト教、イスラム教を中心に、宗教のエッセンスが鮮やかにわかる。ベストセラーシリーズ最新刊!
目次
1 宗教と宗教学(宗教と宗教学―信仰と学問の立場の違いをはっきりさせました。;宗教学の歴史―宗教学は学際的な学問です。;聖と俗―宗教の多くは日常性をこえた「聖」の存在を前提とします。 ほか)
2 世界の宗教(八つの宗教―世界の大宗教は中東、インド、東アジアに生まれました。;ユダヤ教―ユダヤ教はキリスト教やイスラム教の母胎となった重要な一神教的伝説です。;キリスト教―開祖イエス・キリストを神と仰ぎ、その愛の教えを実践します。 ほか)
3 宗教学から見えてくること(アニミズム―宗教の基層には霊魂の信仰があると言われています。;シャマニズム―日本の宗教は伝統的に憑依する霊能者の影響力が強いとされています。;神話―物事の起源を表す太古の物語を神話といいます。 ほか)
著者等紹介
中村圭志[ナカムラケイシ]
1958年北海道生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学(宗教学・宗教史学)。宗教学者、翻訳家、昭和女子大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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白義
14
多くの宗教入門書で知られる著者が更にぼんくらな我等に向けてわかりやすく簡略化して宗教という現象の全体像を伝えてくれる、わかりやすさ特価の入門書。宗教学といっても細かい学問の話はほとんど最低限、個別の宗教や行為、社会風土に焦点を合わせた明日使える宗教学入門という感じ。宗教の本質の良し悪し、という考えにとらわれるのはよくなくて、結局の所宗教という大きな現象をどのレベルで考えるかが肝心なのだ、というようなハッとする問いかけもあって、あっさり読めるものの決してレベルは低くない印象を受けた。著者の本の中では特に平易2019/01/07
noko
4
宗教の本を読んでると、「宗教に帰依しているの?」と聞かれる事がある。いつも「学問として学んでるだけ」と答えてもあまり伝わらない事があった。次からはこの本にある「宗教は信じるもの。宗教学はその宗教を観察し比較するもの」と答えてみよう。信仰治療はできるのだろうか?一部の宗教団体がいう、奇跡の類が科学的に実証される可能性はゼロだと思う、奇跡はない。日本人は葬式に出費する。普段はお寺にお金を出さないが、法事と葬式に集約しているようだ。正月の参詣は宗教というより習慣。東アジアでは、宗教を複数同時に信仰するのは普通。2024/02/05
侘び寂び侘助
4
宗教の位置付け、意味、人との関わりを説明しているのでわかりやすい。日本に住んでいての実感が言語化されている。2020/11/22
もりー
3
本屋で見かけて購入。教養として、また、物事を考えるきっかけとして宗教について勉強したいと思っていたので、ちょうどよい出会いでした。 無宗教と言われる日本においても、葬式に象徴されるように儀礼という形で生活に宗教的な感覚が根付いている。 宗教とは無縁だと思っている人ほど、無意識に受け入れている信念について無知であり、宗教を通じて信念について考えている人ほど、その意味を問い続けている。含蓄のある文章だと思うとともに、宗教を短絡的に捉えずに、その距離感を常に意識し続けることが肝要なのだと思う。2023/06/03
ヒマワリ
3
最近仏教や宗教学に興味があると話すと友達に「大丈夫か」と心配された。そういう事なんだろうな。笑 宗教は教えを信じたり実践したりするもの。宗教学はそんな信者たちの信念や実践を客観的に眺め、宗教ごとの違いや共通点を見ていくもの。宗教を信じない日本人も生活のいたるたころに宗教的な考えや儀式がたくさんある。アニミズムは2、3歳頃から現れるし。これを読んで、私は死んだらどこへ行くのかとふと考えることが多くなった。暗い意味じゃなくて。とても勉強になった。2022/05/22