出版社内容情報
家族との別離、女優への第一歩を踏み出したとき……本はいつでも隣にいてくれた。本をとおして人生を見つめ直す珠玉の読書エッセイ。
内容説明
自分を成長させてくれた、たいせつな二十四冊。カズオ・イシグロ、北村薫、スティーヴン・キング…わたしの本棚はまさに“人生の写真アルバム”。女優、コメンテーター、作家として活躍する著者の読書エッセイ。
目次
第1章 小さき心へ(家のない子;甘える勇気;釘の必要性 ほか)
第2章 未知の世界へ(レッスンとオーディションの日々;不安の居場所;三つの世界 ほか)
第3章 私が私であること(初めての感情;右足を出す;答えのない問い ほか)
著者等紹介
中江有里[ナカエユリ]
1973年大阪府生まれ。法政大学卒。女優、作家。89年芸能界デビュー。テレビドラマ・映画に多数出演。2002年『納豆ウドン』で第23回NHK大阪ラジオドラマ脚本懸賞最高賞受賞。NHK BS2「週刊ブックレビュー」で長年司会を務めた。現在は、フジテレビ系「とくダネ!」にコメンテーターとして出演中。読書に関する講演や、エッセイ、書評も多く手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ベイマックス
96
エッセイは苦手で、先日も梨木香歩さんの『春になったら苺を摘みに』を途中リタイアしてしまった。でも、今回は読み切れました。本に絡めてだったというのもあるし、行間が空いているページ構成で読みやすかったからってこともある。そして、24冊の本の中には、既読本もあるし、読んでみたいな思う作品もあった。◎女優さんが、生まれた瞬間から人生に恵まれていたわけではないという、当たり前のことを再認識しました。『ホンのひととき』も読んでみようかな。2021/10/09
ポップノア♪@読書超絶停滞中
73
読書好きで知られる中江さん。書籍と絡めながら語られる半生は、両親の離婚や転校から始まり「大阪人らしくない」暗めのテイストですが、数々の比喩と読ませる文章で惹き込まれます。初めてのオーディションに受かり「私にも“夏への扉”があった!」の一文はこちらも嬉しくなったし、「人生の裂け目を飛ぶ瞬間はいつも独りだけど、その瞬間まで見守ってくれた人が幾人もいたこと」には痛く共感しました。「上京も読書も逃避だった」もね。昔から良い意味で芸能人らしくない彼女でしたが、その理由が解る1冊。“彗星物語”が読みたくなりました。2022/04/28
ぶんこ
65
著者の生きてきた時々でめぐりあった本によって力をもらった日々。子どもの頃の不安感や、居場所のない感じから逃れるように本の世界にのめり込む・・・本好きさんには共感ですね。あとがきに「本は逃げるための手段で道具だ。使い方は自分次第で、いつだってページを開いた人の味方になってくれる。逃げるのは決して悪いことじゃない。意欲があるしるしなのだから。」とありました。(いつだって味方)、(意欲がある)といった言葉に勇気づけられる悩める若者は多いでしょう。還暦過ぎが読んでも素晴らしかったですが、悩める若者に読んでほしい。2020/01/21
ゆゆ
34
昔、女優さんとしてTVに出ていたのを知っていたので、ある時から「脚本家・作家」という肩書がついたのに驚かされたが、こういった経緯があったとは…。本の書評というよりは、純粋にエッセイとして楽しませてもらった。私自身は、本を読むことに大きな意味を持ったことはない。でも、現実から逃げたい、何かを得たい、別の何かを探したい、という目的をもって読み漁るのも決して間違いじゃないなと改めて感じさせられた。もちろん、目的がなかったとしてもいいはず。しいて言うなら、心の機微を感じ取る能力が僅かずつでも身についていく…かな。2017/12/14
あじ
33
両親の離婚、親元を離れての上京、度重なるストレスと涙。病める時も健やかなる時も、常に本を手元に置いていた中江さん。「本は逃げるための手段で道具だ(中略)逃げるのは決して悪いことじゃない。意欲があるしるしだから。」かつて『人生』という言葉を発言し仰々しいとたしなめられた事があったそうです。この時は若輩という立場でしたが、40代半ばを迎えた今【わたしの本棚】には様々な人生の軌跡が並んでいました。書評と自伝とエッセイの三役を、卓逸な感性と筆致で織り混ぜています。中江さんの名著となる一冊だと思います。2017/12/04
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