出版社内容情報
人間や昆虫を自らの繁殖にしたかかに利用し、地球上にはびこる旺盛な生命力を持つ植物の生態を「怖い」という視点から描き出す。
内容説明
食虫植物ハエトリソウ、死骸の花ラフレシア、絞め殺し植物ガジュマル、百獣の王を殺すライオンゴロシ、美しき悪魔ホテイアオイ、植物の毒の誘惑…。読み出したらとまらないおそろしい植物のはなし。
目次
1 植物という不気味な生き物(何度でも蘇る;不老不死の生き物 ほか)
2 奇妙な植物(もし、あなたが虫だったら;人食い植物の伝説 ほか)
3 毒のある植物たち(毒の森でリフレッシュ;毒を使うプリンセス ほか)
4 恐ろしき植物の惑星(共生の真実;操られしもの ほか)
著者等紹介
稲垣栄洋[イナガキヒデヒロ]
1968年静岡県生まれ。静岡大学農学部教授。農学博士、植物学者。農林水産省、静岡県農林技術研究所等を経て、現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みかん🍊
86
とても読みやすく面白かった、怖いというから毒草とかかなと思ったがそれだけでなく変わった生態や食虫植物、奇妙な植物、コーヒーやチョコレートなど本当は毒物である植物を人間は摂取している少量の毒はリラックス効果を催し多量摂取は体を蝕む、蜜蜂が滅びると人類が滅びる、竹の花が咲くと天変地異がおこる、そして最後の蘇る古代の地球は怖い。2017/10/06
Major
70
相変わらず軽妙な語り口でいつの間にか僕達読者を植物学の深みへと誘ってくれる。怖いとタイトリングしただけあって、他の著作に比べてお笑い話は幾分抑えめだ。その代わりに深みマシマシである。第一部「植物という不気味な生き物」は植物学の範疇を超えて哲学的だ。徹底的に人間中心の偏見的科学感(観ではない)を批判する。植物を知るほどに異形の存在は人間の方であると悟る。稲垣さんは植物学を離れて、「人間という不気味な生き物」とタイトリングしたかっただろう。僕達は僕達人間自身の存在と命の有様に畏怖し眠れなくなるのだ。お薦めだ。2025/03/03
ままこ
57
怖くて眠れなくはならないが面白く興味深い内容だった。「ハテナ」という不思議な生き物、「黄色い吸血鬼」とあだ名されているネナシカズラ、シロツメクサの隠された花言葉、ホオズキの悲しい利用法など印象に残る話が色々ある。地球で我が物顔でいる人間をこっそり操ってるのは植物かもと思えてしまう程植物は不思議な奥深さを感じた。可愛い植物のキャラクターの一言も良かった。2017/09/14
ちくわ
55
著者の本(蓮見名義含む)も4冊目に。自身が農学部だった事もあり興味深く読むが、文系の方々にも刺さるであろう読本としての面白さも潤沢で、この先生は文系脳と理系脳の二刀流だな!と感心するばかりだ。さて、本書は植物の『怖さ』に焦点が当てられているが、それは単に人間目線の不気味さであり、植物の多様性を著述しているに過ぎない。だがこのギャップこそが面白さであり、学問や研究の意義の一つだと先生は伝えたいのかなぁ?なんて考えてしまった。お金になる研究に優先して予算が組まれるようになって久しいが、基礎研究も結構大事よ!2025/06/03
クリママ
40
「面白くて眠れなくなる植物学」の続編。植物学というより、植物に関連する雑学が多く、1編が短く、あっという間に読めてしまう。読みやすい分、軽めの感じ。2023/12/22