PHP新書<br> 日本人は死んだらどこへ行くのか

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日本人は死んだらどこへ行くのか

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  • サイズ 新書判/ページ数 253p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569835969
  • NDC分類 114.2
  • Cコード C0210

出版社内容情報

臨死体験、生まれ変わり、ご先祖様、怨霊……。日本人の「死の安心」はどこにあるかを『古事記』から現代まで通観し解明する、驚愕の書。

鎌田東二[カマタトウジ]
京都大学名誉教授、上智大学グリーフケア研究所特任教授

内容説明

私たちは死んだらどこへ行くのか―。これは誰もが必ず直面する問いであろう。この問いは、大いなる不安を伴うものであり、ときに絶望ですらあり、さらに深い孤独を感じさせるものでもある。しかし古来、日本人は死についてどのように考えてきたかを知ることで、自分自身にとっての答えが見えてくる…。宮沢賢治、遠藤周作、本居宣長、柳田國男、折口信夫らの議論から、怨霊思想、和歌の生命力、アニミズム的発想、自分史的観点までをふまえつつ、「死」と「日本人」の関係を結び直し、現代の「安心」を求める意欲作。

目次

序章 変容する「死」の風景―孤独、矛盾、そして安心
第1章 臨死体験、生まれ変わりへの興味―「死」を探究する
第2章 「縁」をいかに結び直すか―『先祖の話』と個人の救済
第3章 『古事記』の死生観―本居宣長と平田篤胤の安心
第4章 怨霊と鎮魂―悪しき霊をいかに救うか
第5章 星になる、風になる―「草木国土悉皆成仏」の思想
終章 「死」と「史」と「詩」―ディープエコロジーと自分史

著者等紹介

鎌田東二[カマタトウジ]
1951年徳島県生まれ。國學院大學文学部哲学科卒、同大学院神道学専攻博士課程単位取得満期退学。岡山大学大学院医歯学総合研究科社会環境生命科学専攻単位取得退学。現在、上智大学グリーフケア研究所特任教授。放送大学客員教授。京都大学名誉教授。京都伝統文化の森推進協議会会長。博士(文学、筑波大学)。専門とする領野は宗教哲学、比較文明学、民俗学、日本思想史、人体科学など多岐にわたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

梅ちゃん

19
2017.07.15 タイトルの『死んだらどこに行くのか』の答えを著者の意見として明確に書かれているのかと思いながら読んだがそうではなかった。それはそうやね。それを書いたらマユツバものの怪しい本になってしまうものね。私の読解力不足で、理解しきれてないところがあるのでもう一度よんでみよう。2017/07/15

みんと

8
死んだらどこへ行くのか。 現代では魂の存在自体が軽んじられている風潮にある。 現に直葬、極端にはゼロ葬という死んだらそこで終わり、無になるという考えも増えてきている。 死ぬときは一人というイメージが何だか悲しい。 コミュニティの再建の必要性を大いに感じる。 あの世だとか生まれ変わるとかそういう感性が薄れているのに「君の名は」や「シン・ゴジラ」などの死や破壊を深く描かれたものがヒットするのも興味深い。2017/08/22

うえ

6
著者は95年の阪神大震災と11年の東日本大震災で日本人の死生観が大きく変わったことに言及する。阪神では心のケアが要点で、東日本では「死者をどう弔うか」つまり魂のケアだと言う。石巻、気仙沼で被災者が多く遭遇した幽霊現象(『霊性の震災学』)に言及する。あるタクシー運転手は真夏に冬着の女の子を乗せ、消え去るのを目撃。しかし今はそんな体験を余り喋らない。「嘘だと言われて彼らの存在を否定してしまうかもしれない。そうしたら、何の悪気もない彼らを傷つけてしまうかもしれない…」。そして日本人の過去の死生観を検討していく。2021/06/18

coldsurgeon

4
現代の日本では、あらゆるものが不安定で流動的となり、その結果、無縁化が進み、そして縁が薄れ縁が切れ、人々の自由が増した。そのような中、自分の身の回りの死を見つめ、それを歴史的な視点で位置づけ、さらにそれを物語(=詩)にすることだと思う。人は死に向かって生き、完全な死体となる存在なのかもしれない。本当に生きるということは、死を考えると同時に生の本質を考えることであろう。2017/09/05

茶幸才斎

4
社会制度にほころびが見え、天災や貧困、戦乱が身近になり、人々は孤立と無縁化を強める。そんな中世にも似た現代にあって、我々は「死」を前に何を拠り所に心安らかでいられるか。考えるヒントとして、宮沢賢治や遠藤周作の文学、柳田國男や折口信夫の民俗学、『古事記』や和歌、能、「千の風になって」などの芸術・芸能にみる死生観、また宗教の今日的役割について考察している。科学が死の定義を味気ないものに変えた今、私としては、命より家の名と栄誉を後世に残すことを重視する中近代の武家の思想に一抹の希望を覚える。本書に言及はないが。2017/07/27

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