出版社内容情報
英雄か、大たわけか――戊辰戦争の際に武装中立をめざし、幕末の動乱期に確かな存在感を放った河井継之助の生涯を描いた長編小説。
秋山香乃[アキヤマカノ]
作家
内容説明
英雄か、大戯けか―幕末、一介の武士から長岡藩家老に抜擢され、戊辰戦争に際し武装中立をめざした男の真実。「新潟日報」他、10紙で連載の話題作、ついに刊行!河井継之助の生涯を描き切った感動巨編。
著者等紹介
秋山香乃[アキヤマカノ]
1968年、北九州市生まれ。活水女子短期大学卒業。柳生新陰流居合道四段。2002年、『歳三往きてまた』で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 評価
京都と医療と人権の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
92
面白かったです。様々な目的で志士たちが動き回る幕末において、高潔な意志を持っていた河井継之助。ひたすら長岡のために生き、奔走したその生涯には潔さすら感じます。幕末のほんの一瞬に見せた正義はあまり知られていないかもしれませんが、彼は間違いなく自分の想いを全うしてその生涯を閉じたと言えるでしょう。2018/01/09
ゆみねこ
78
河井継之助を描いた大作。幕末の長岡藩家老、出自は低い身分でありながら、日本の行く末を見極め、長岡の民の幸せをひたすら追い求めた激動の生涯。長編で読み応えがありました。秋山香乃さん、初読み。2017/06/14
さつき
67
『峠』『英雄児』と読んで来て、違う作家の描く河井継之助にも興味があり読みました。一つ一つのエピソードは共通のものが多いですが、そこに至るまでの継之助の思いが詳しく描かれていて、司馬作品との解釈の違いが際立ちます。妻のすが子の心情に踏み込んでいる点も最近書かれた作品らしいですね。主人公の行動に唖然とする部分がなくなり、私にも納得しやすく描かれている分、破天荒な英雄らしさは薄れたかなぁ。2017/09/07
ポチ
67
長岡を守る為に必死に戦った、河井継之助の生き様が丁寧に描かれています。長編でしたが引き込まれ一気に読了しました。いい本です。2017/07/09
baba
41
司馬遼太郎「峠」ですっかり河井継之助の虜になった。秋山さんは初ですが、継之助を描くなら本の厚さにめげず読まずにいられない。時代の先が見える男であり、周りに疎まれながらも信念を変えず、長岡の為なら何とかしようと努めることを厭わない。何事も流される周りの人に本当にこのままで良いのと女性目線で優しく問いかける、怒涛の如くの生き様でした。妻との会話が秀逸、温かな気持ちになりました。2017/09/04