PHP新書<br> 名刀に挑む―日本刀を知れば日本の美がわかる

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名刀に挑む―日本刀を知れば日本の美がわかる

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  • サイズ 新書判/ページ数 247p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569832463
  • NDC分類 756.6
  • Cコード C0230

出版社内容情報

刀身の煌めきに美を見い出し、「生きる力」をもらう……。不可能とされてきた鎌倉期の名刀の再現を成し遂げた刀匠が語る日本の凄さ。

松田次泰[マツダツグヤス]
刀匠

内容説明

日本刀の世界では、鎌倉期の刀が最高のものとされてきたが、製法が失われ、再現が不可能となっていた。特に江戸期以降、無数の刀鍛冶が再現に挑むも、叶わなかったのである。しかし著者は、遂にその再現に成功した。「名刀」の域に達するのは、並大抵のことではない。名刀であるためには、「品格」が求められる。刀の原料となる和鉄の性質にも通じなくてはならないし、刀の歴史や文化の深い部分も知らなくてはならない。しかし、それがわかったとき、日本文化の美、強さ、精神性の凄さが見えてくる―。希代の実力派刀匠が語る日本刀の真実と、日本文化の真髄。

目次

第1章 日本文化と日本刀―刀は「生きる力」をもらうもの
第2章 鎌倉時代の古刀を再現する―私の刀工修行
第3章 日本刀の歴史とつくり方―珠玉の刀の秘密に迫る
第4章 「至高の美」と「強さ」をいかにつくりだすか
第5章 精神性―神道と産霊
附章 日本刀の見方、愉しみ方

著者等紹介

松田次泰[マツダツグヤス]
昭和23年、北海道北見市生まれ。昭和47年、北海道教育大学特設美術科卒業。昭和49年、刀匠高橋次平師に入門。昭和55年、作刀承認許可。平成8年、日本美術刀剣保存協会会長賞受賞(以後、特賞8回)。平成17年、文化庁長官賞受賞。平成18年、高松宮記念賞受賞。平成21年、無鑑査認定。平成27年、千葉県無形文化財の保持者に認定される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

双海(ふたみ)

16
借りた本。現代の技術では再現ができないという、鎌倉時代の古刀。「技術というのは、一回途絶えて失われてしまうと、それを再現するのは、新たなものをつくるよりも難しいものです」 先端科学や合理性だけでは測ることのできない領域がある。2018/01/25

ようはん

15
鎌倉期の有名な正宗らが作った刀を古刀と扱い、戦国期から江戸初期辺りは新刀、江戸後期は新々刀と分類されるが古刀に関しては後年よりも至高であるとされながらも制作技術は廃れていた。その古刀を作ろうとする著者の奮闘記であるが、刀の制作過程や美術品としての見所など刀に関して奥深い話が目白押し。 2024/11/28

活字スキー

12
とても面白かった。現役の刀匠が、刀を通して日本の精神や文化、職人というものの在り方等を丁寧に解説。著者が専門の物書きではないせいもあって内容が重複してたりイメージが伝わりにくい部分もあったが、先に『人はどのように鉄を作ってきたか』を読んでおいたおかげで、素材についての話は理解しやすかった。素材の玉鋼だけでなく色んな意味で、近代的な合理主義と先端科学だけでは成立しない歴史の奥深さ、それらを発展継承してゆくことの難しさと崇高さに心が震えた。2017/09/10

文章で飯を食う

12
面白かった。いろいろと魅力的なフレーズなどが出て来るのだが、構成が今ひとつ。もっと編集の手が入れば良いのに。2017/06/17

のれん

11
現代鍛治師が古刀の再現について語る。 ルポや解説を交えながら、どちらかというと刀を通じた日本文化の推察で、話題があっちらこっちらと移動する。 しかし、日本の鉄器文化に尊敬と誇りを持ってるからこそ、再評価を願う一心が伝わる。 純度も炭素量も高いが、不均一で折れやすい日本特有の和鉄。だから日本刀は何度も折り重ねて粘りけを出し、切れ味と折れにくさを両立する。錆びも進行しにくい和鉄は日本気候にぴったりの金属だ。 技術とは本来素材を変えるのではなく、適合した技である。前近代の技術は特にそれを感じさせるのだ。2021/07/15

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