出版社内容情報
上田秋成×武富健治の時空を超えたコラボレーション! 幻想文学の古典を重厚な筆致で果敢に『漫画訳』に挑んだ意欲作!
武富健治[タケトミケンジ]
文藝漫画家
上田秋成[ウエダアキナリ]
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
蔦屋重三郎そっくりおじさん・寺
58
上田秋成の古典『雨月物語』を『鈴木先生』の武冨健治が漫画化した本。「漫画でわかる」みたいなものではなく、かなり真剣に漫画化したものだと感じる。漫画化なのに原典にきちんと当たったような気持ちになる。まるで毛で編んだかのようなあの不安な線で描かれる怪異の数々は実に禍々しい。実話漫画雑誌でも猟奇を描いているだけの事はある。素晴らしいと思う。雨月物語をきちんと知るのは初めてだが、各話の時代設定の新鮮さに驚く。崇徳院と西行、尼子経久、享徳の乱、豊臣秀次、蒲生氏郷。江戸中期の時代小説として良いセンスである。お薦め。2017/10/27
たまきら
24
この暑苦しい奇妙な絵は…鈴木先生の人?と手に取りました(あってた)。有名な怪談だらけですが、特に崇徳院様の描写は怖かった…!吉備津の釜の夜明けのシーンは、昔読んだかわぐちかいじさんの「アクター四谷怪談編」を思い出しました。でも、女子としては雨月物語の方がスッキリ。2021/08/03
りんりん
13
雨月物語を読んでみたかったので、手に取った。絵がちょっと迫力あって、思ったよりも迫力があった。もっと耽美的なイメージがあったのだが・・・。それにしても、顔だけの男(夫)に執着する女たちの気持ちがわからない・・・。2017/01/25
かおすけ
11
いつもはマンガは読書メーターに登録しないのですが、これは読み応えがあり過ぎたので登録しました。「吉備津の釜」を知ってから『雨月物語』をずっと読みたいと思っていくつか試し読みをしてきましたが、この作品は分かりやすかったです。喜怒哀楽では言い表せない激しい感情が描かれていて、息をするのも忘れて『雨月物語』の世界に入り込んでしまいました。「蛇性の婬」のまろやが可愛くて好きでした。2016/08/01
maekoo
8
関連本も沢山読んだ、今も通じる人の性の哀しさと怖さを描いた短編怪談小説集「雨月物語」! 江戸時代後期の国学者で文筆家の上田秋成の古典愛や仏教感が滲み出た快作を古典に造詣のあるドラマにもなった「鈴木先生」の原作者武富健治氏が漫画訳した傑作! 9作品をすべて原作の世界観を表現し発展し昇華させた漫画で愉しめます! 白峰・青頭巾・貧富論等表現が難しい作品も漫画化! 巻末の作者のあとがきは作品への深い愛が読み取れ、千街氏の解説も所見の人は発見があり愛読者は共感と共に読め雨月物語の世界観と面白さを深める事が出来ます!2025/02/21