現代語訳 十牛図

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現代語訳 十牛図

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  • サイズ B6判/ページ数 103p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784569827872
  • NDC分類 188.8
  • Cコード C0015

出版社内容情報

十牛図は失われた牛(自己)を探し求めて旅し、故郷に連れ帰る絵物語。悟りのプロセスがわかる禅の古典をわかりやすく現代語訳した。

内容説明

十牛図とは十枚の牛の絵であるが、失われた牛(自己)を探して旅し、故郷のわが家に連れ帰る絵物語。真の自己にいたる悟りのプロセスが十枚の絵と漢文で描かれる。本書は、禅僧が人生の歩みにおける意味を丁寧に解説。古典翻訳家がわかりやすく現代語に訳した。

目次

第1 尋牛―牛、すなわち真の自己を探す旅に出る
第2 見跡―牛の足跡を見出すこと。足跡とは悟りの手引きとなる経典や古人の公案の類を意味している
第3 見牛―牛の姿をかいま見ること。教えに導かれて、悟りが少し見えた状態
第4 得牛―力づくで牛をつかまえること。何とか悟りの端緒を得たものの、いまだ自分のものになっていない姿
第5 牧牛―牛を手なずけること。悟りを自分のものにするための修行を表す
第6 騎牛帰家―牛の背に乗り家へむかうこと。悟りがようやく得られて世間に戻る姿
第7 忘牛存人―家にもどり牛のことも忘れること。悟りは逃げたのではなく修行者の中に根づいている
第8 人牛倶忘―すべてが忘れさられ、無に帰一すること。悟りを得た修行者も特別な存在ではなく本来の自然に融合してしまう
第9 返本還源―原初の自然の美しさがあらわれてくること。悟りにより、それを妨げていた障碍が取り除かれたのだ
第10 入〓(てん)垂手―悟りを得た修行者(童子から布袋和尚の姿になっている)が街へ出て、別の童子と遊ぶ姿を描き、人を救い導くことを表す

著者等紹介

玄侑宗久[ゲンユウソウキュウ]
1956年、福島県三春町生まれ。慶應義塾大学文学部中国文学科卒業後、さまざまな仕事を経験。その後、京都天龍寺専門道場に掛搭。現在、臨済宗妙心寺派福聚寺住職。2001年『中陰の花』で芥川賞を受賞。2014年『光の山』(新潮社)で芸術選奨文部科学大臣賞受賞

水野聡[ミズノサトシ]
1959年、神戸市生まれ。関西学院大学文学部日本文学科中退。(株)リクルート、エイボン・プロダクツ(株)、日本ゲートウェイ(株)他にて宣伝部コピーライター、広告制作プロデューサーとして勤務。2004年独立、能文社を設立。コピーライター、古典翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ほじゅどー

17
★★★★中国宋の禅師の本。牛(真の自己)を探して旅し、我が家に連れ帰り、悟りを開く物語。元々自己は内在するのになぜ探しに行くのか。人生、頑張ること(ありのままを超えた自己を探求する)も頑張らないこと(ありのままが仏)も両方必要なのだ。頑張って疑問を解くことは必要だが、今に「安らぎ」、「知足」し、明るい「十全感」に浸ることも大切。その両者が螺旋のように繋がっていくことを示したのが「十牛図」。2017/02/22

小鈴

16
朝カルの見田先生のかつての講義で十牛図をやりましたが、それ以来ぶりに読む。この本の現代語訳はかなり読みやすいのでオススメ。こむずかしいテキストで挫折するくらいなら、こちらでさくっと読む方がよいかも。一方で、スムーズにさらっと読みすぎてこんなもんかよと思うあなたには『十牛図 自己の現象学』がオススメ。「序 本来の自己はそもそも己の中にあり、どこにも行きはしないのに、なにゆえ外に追い求めようとするのか」、自己=牛を探す旅から始まり、入鄽垂手に至り、そして螺旋階段を上るようにまた尋牛へと辿るのだ。2016/05/18

テツ

15
悟りに至るプロセスと悟った後の道を描く(と言葉にすることが禅とはかけ離れているんだろうが)十牛図の解説。牛の存在を知り、それを探し求め、どうにかして手に入れて家に連れて帰る。慣らした牛は消え去り、探し求めていた自分という存在も消え去り、清浄な世界が誕生する。しかしそこにあぐらをかいて座り込んでいてはいけない。再び俗世に出ていき衆生に安らぎを与えて悟りへと導かなければならない。禅の道に限らず大抵の人生への指針となりうる教えだと思う。禅の教えはしっくりとぼくの内側に入り込む。きっと好きなんだろう。2021/01/18

oanchan

7
本当の自分は自分の中にしかいない、という言葉が一番印象に残りました。周りをみるより自分に問いかけるしかない。2016/05/14

Tatsuhito Matsuzaki

2
中国宋時代の禅宗僧である廓庵師遠禅師の教え。 原本は、牧人が牛(自己)を我が物にするまでの旅の中で、人として成長する(悟る)ことを十枚の絵と漢文で描かれています。 新たな道を歩み始める方、何かを求め何かを得たいと渇望されている方にお薦めの良書であるとともに、本書の底本となった我が国唯一の伝本、五山版『五味禅』住鼎州梁山廓庵和尚十牛図一巻(国立国会図書館蔵)をいつか閲覧したいと思いました。2016/04/10

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