出版社内容情報
世界はめくるめく多様な生物であふれている――。進化論の歴史、可能性と限界、そして新たな可能性について、わかりやすく解き明かす。
【著者紹介】
進化生物学者、北海道大学大学院准教授
内容説明
神の御技を見よ―進化論以前、ダーウィンの冒険、遺伝子の正体、カブトエビの危機管理…なぜ、世界はこんなにたくさんの生物に満ちているのか?
目次
1 進化論の誕生(神の御技を見よ―進化論以前;生きている間変化し続ける生物たち;世代を超えて変わるのか? ほか)
2 進化論の現在(遺伝の発見;遺伝子の正体;「総合説」の誕生 ほか)
3 進化論の未来(進化のレベル―遺伝子、個体、集団;「説明できる」とはどういうことか?;湖のプランクトンの多様性が維持される理由 ほか)
著者等紹介
長谷川英祐[ハセガワエイスケ]
進化生物学者。北海道大学大学院農学研究院准教授。動物生態学研究室所属。1961年、東京都生まれ。大学時代から社会性昆虫を研究。卒業後は民間企業に五年間勤務。その後、東京都立大学大学院で生態学を学ぶ。主な研究分野は、社会性の進化や、集団を作る動物の行動など。特に、働かないハタラキアリの研究は大きく注目を集めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
徒花
120
まあまあ。序盤はおもしろかったけれど、中盤からちょっと内容が小難しくなってくる。終盤になり、進化論の進化についての話になってくるとまたおもしろい。進化論が一神教的な施工方法からの脱却につながっているのはなんとなく直感的にわかってはいたけれど、それをきちんと言語化して理解できたのは良かったところ。それを目的とするのならば、中盤あたりは流し読みでもいいのかもしれない。2021/01/06
ジョンノレン
41
進化生物学者である著者3冊目ともなれば重複だらけだが復習と学習深化にもってこい。ダーウィンの自然選択をメインとする進化の原則にメンデルの法則を加味した総合説と共に本邦木村資生博士が主張する遺伝的浮動による中立説が二元的に認められる。点突然変異の他に溶源化、トランスポゾン、細胞内共生、細胞外共生等変異の多様性も豊か。カブトエビの環境の微妙な変化も想定した産卵戦略は目を見張る。アリのコロニー内の卵は常に舐めて抗生物質を含む唾液でカビの繁殖回避。その交代要員確保は反応閾値の多様性のなせる技。残る2冊も楽しみだ。2023/07/10
Nobu A
26
長谷川英祐先生著書3冊目。「面白くて・・・生物学」に続き読了。専門領域だけあって前書よりは断然分かり易く興味深い。一方で感じるのが進化論を一般読者に噛み砕いて教えるのって簡単ではないんだろうな。「遺伝的浮動」「自然選択説」「競争的排除」等キーワードを用いながらトピック立てで話が進むが、最終的に「総合説」って何となる。生物の多様性や複雑性に加え「薄めの効果」等、複雑に絡み合う要因が存在する生物界を経済活動に似ていると思うのは私だけじゃないはず。「働かないアリに意義がある」のように一種に絞った方が面白いかも。2024/02/11
かおりん
19
生物学や進化ってやっぱり難しい。苦手な分野なのであまり頭に入らなかった。そのなかで働かないアリが現れるのを人間に例えてあった。きれい好きとそうではない人が集まっていると段々部屋が散らかる。掃除を始めるのはきれい好きの人。その人が疲れて出来なかったらあまりきれい好きでない人が掃除を始める。働かないアリはサボってるのではなくある程度以上に仕事の刺激が大きくなれば働ける。共存の力学もおもしろかった。進化は生物の形質の都合だけではなく、環境との相互作用の結果によって増減する。2018/03/05
宇宙猫
18
★ 知ってることばかりだった。2015/12/11