出版社内容情報
カメラマンだった祖父とそのモデルだった祖母。二人の死に秘密があることを聞かされた光介は……。海辺の町を舞台とした青春ミステリー。
【著者紹介】
作家
内容説明
いつも通りの夏のはずだった。その事件のことを知るまでは…25年前の祖父母の心中事件に隠された秘密とは。残された写真、歪んだ記憶、小さな嘘…。海辺の町を舞台とした切なくてさわやかな青春ミステリー。
著者等紹介
近藤史恵[コンドウフミエ]
1969年、大阪生まれ。1993年に『凍える島』で第四回鮎川哲也賞を受賞し、作家としてデビュー。2008年には『サクリファイス』で第十回大藪春彦賞を受賞、また本屋大賞2位にも選ばれた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まちゃ
315
四国の海辺の小さな町に両親と暮らす高校生・光介が25年前の祖父母の心中事件の真相を追う青春ミステリー。ミステリー感は少なめで、全体的に淡々とした印象でしたが、祖父母の死の真相に向き合うことで動き出す家族(光介と両親、伯母・芹とその娘・双葉)の姿が心地良く、読後感は良かったです。2016/09/22
紅はこべ
270
似たような設定の話がクリスティにあったような…。近藤さんの少年を主人公にした成長物語って珍しい。悪意のある人物がいない、白い近藤さん。これといった取柄や夢がない思春期の悩みが切実だ。芸術家に付き合わされる普通の人間の悩みも切実だ。華子さんの心情を察すると切ない。2016/09/29
hiro
262
偶然だが『小暮写眞館』に続き、男子高校生が探偵役の作品を読んだ。四国の南側、海辺の小さな田舎が舞台。主人公光介が自分の生まれる前のカメラマンの祖父とそのモデルだった祖母の心中事件の謎を解いていくという青春ミステリー。さらりと一気に読めた。ただ『私の命はあなたの命より軽い』を読んだときも感じたが、方言を全く使わないのに違和感を感じる。最近読んだ高知を舞台にした大崎梢さんの『夏のくじら』は、高知弁を使っていたが大変読みやすかった。東京からきた双葉の心情を描くためにも、標準語と方言の使い分けが必要だと思った。2015/08/18
ナイスネイチャ
261
図書館本。25年前に起こった祖父母の心中の真相を探るミステリー?主人公は高校生で思春期のもやもやした感情を描きながら、物語は進んでいきました。読後スッキリした感覚になり、フィクションではありますが、主人公光介と従姉妹の双葉の成長に清々しさを感じました。2015/09/08
冴子
259
近藤さんは本当に抽斗の多い作家さんだなぁ。高知の田舎に住む高校生が祖父母の死の謎を解こうと、試行錯誤する姿が清々しくて素敵。芹さんも素敵な人だし、田舎ならではの暮らしにくさを身近に感じられた。姉妹といえど、家族で一緒に暮らすのは難しいそうだな。2017/02/25
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