出版社内容情報
戦後日本を考える上で、ダグラス・マッカーサーは避けて通れない人物である。半藤昭和史ファン待望の「マッカーサー論」。
【著者紹介】
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内容説明
廃墟から立ち上がりここまできた我ら日本人。国家目標を見失った今こそ、見直したい“あの時代”!
目次
前口上 神社と銅像
第1話 「青い眼の大君」の日々
第2話 昭和天皇の“戦い”
第3話 十一回の会談・秘話
第4話 「ヒロヒトを吊るせ」
第5話 本間は断罪されねばならぬ
著者等紹介
半藤一利[ハンドウカズトシ]
作家、歴史探偵を自称。1930年東京生まれ。1953年東京大学文学部卒業。同年(株)文藝春秋入社。「週刊文春」「文藝春秋」各編集長、出版局長、専務取締役などを歴任、退社後、文筆業で活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちさと
22
GHQの強い指導下で制定が行われたため、押し付け憲法と言われたりもする日本国憲法。愚帝の作る良い憲法と賢帝の作る悪い憲法と、どちらが国民は幸せか。本書を読むと「制定経緯」を問題にしているに過ぎないと感じる。 見所は11回の天皇マッカーサー会談の内容。一切口外しない約束があった為、大部分がベールに包まれているわけですが、そこは歴史探偵の腕の見せ所。膨大な資料を渉猟しながら抜けてる部分を推理する。しかし、昭和天皇がどんどんマッカーサーに話をして政治に口を出していたというのは驚き。あまり想像できないですよね。2025/04/06
Lila Eule
9
20年以上前に発表された内容らしいが、マッカーサーの人となりが興味深い。傲岸で極めて明晰で理想家で、執念深く、自己顕示の強いエリート軍人。昭和天皇との11回の会見の解説は、戦後の日本の構築に果たした昭和天皇の力を知る内容で面白い。米側資料の発掘を著者は期待しているが、外務省にはあるのではと。バターン死の行進の責を負わされた本間雅晴中将の死刑は、マッカーサーによる偽装された復讐であると。さもありなん。戦後70年が奇跡とわかる。2016/06/03
みなみ
8
Kindle Unlimited で読了。マッカーサーの日本統治にまつわる証言や記録を集めている。マッカーサーは日本人の精神を12歳だと言って嫌われたようだが、マッカーサーの分析(裕仁天皇個人への行為や憧憬と制度としての天皇制を日本人が区別できないから、日本では天皇制廃止反対が圧倒的である)を読むと、そう言われても仕方ないのでは…?と感じる。青い目の大君と慕っていたのにそういうこと言われて一気に熱が醒めるのは今読んでも日本人らしいというか……トルーマンとめっちゃ仲が悪かったのか。そこは初めて知った。2022/09/03
ノリピー大尉
7
本間元中将の裁判のエピソードは理不尽に思えてならないが、部下の行いに責任を負う中将の高潔な態度に気持ちが震えた。 今日の日本が抱える憲法、国防、教育、土地、沖縄の基地などの問題は、すべて占領中のごく短い期間を源にしていることを思うと、もっとマッカーサーの人物像と業績を知っておきたいと思う。 トルーマンとの確執をもっと掘り下げて欲しかった。2016/12/24
東京には空がないというけれど・・・
6
マッカーサーと昭和天皇の会談によって、戦後日本の形が作られたという秘話に、驚くことばかりであった。そして、それが現在の日本の課題にもなっているという歴史的事実。これは、誰もが知っておくべきだろう。最後のフィリピン攻略の司令官だった本間中将の話には、やはり泣けた。在外体験も十分にあり、文人的でもあった本間中将をマッカーサーが処刑した背景には、マッカーサーの軍人としてのメンツがあったとは。バターン死の行進の秘話についても、ぜひ知っておくべきだと思う。2017/03/30