大正の后

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  • サイズ B6判/ページ数 349p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784569820804
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

大正天皇を公私にわたって支えつづけ、激動の昭和を国民とともに生き抜いた貞明皇后。その感動の生涯を描く著者渾身の長編小説。

【著者紹介】
作家

内容説明

妻として、母として、昭和と大正の激動を生き抜いた、貞明皇后の生涯。大正天皇を公私にわたって支え続けた皇后の、平和への願いと家族の絆を描く傑作長編。

著者等紹介

植松三十里[ウエマツミドリ]
静岡市出身。東京女子大学史学科卒業。出版社勤務、7年間の在米生活、建築都市デザイン事務所勤務などを経て、作家に。2003年に『桑港にて』で歴史文学賞、09年に『群青 日本海軍の礎を築いた男』で新田次郎文学賞、『彫残二人』(文庫化時に『命の版木』と改題)で中山義秀文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Aya Murakami

155
繭と絆の作者の本ということで図書館で借りてきました。 古文よりも漢文な大正天皇。きっと全体の雰囲気をつかむよりも論理的に考えることに長けていた人物だったのでしょう。主人公の節子をいたわる姿からも組織よりも目の前の個人を大事にする優しい心遣いが伝わってきました。 息子の昭和天皇や三笠宮様の描写も「皇族であっても血の通った人の子である」という雰囲気が伝わってきました。周囲から女々しいという見解を示されながらも草花を愛する昭和天皇。こういう描写は大好きです。2019/05/10

初美マリン

119
半分歴史、半分同じ時を過ごしているような感覚、后の立場からの俯瞰も優しい思いやりがあり、どの立場も苦しみはあり、優しい読後でした 2019/07/21

なゆ

91
読んでよかった、の一言。とても短かった大正時代は、実はほとんど気にしてなかったのだけど(コラコラ)、この本のおかげで分かりやすく知ることができた。貞明皇后の目を通して、日本の政府がつき進んできた大正から昭和にかけての戦争の歴史と、平和を願いながら政府を止められない天皇皇后の苦悩が。病弱であったとしか知らなかった大正天皇も、ひたすら平和を願い庶民を見つめる方だったのか。弱者に寄り添い支える姿勢を貫き続けたり、太平洋戦争時には疎開を拒み身をもって終結を願ったりと、貞明皇后の強さと優しさを知った。2016/11/07

風眠

81
日本各地を巡り庶民と気さくに話したり、無駄に豪華なことを嫌ったり、戦争に反対したり、大正天皇はきっと、生まれた時代が早すぎたのだろう。現代だったら普通の感覚が、当時の政治家や軍人にしてみれば「軟弱なだけの目の上のたんこぶ」だったのだな。「寝てはいられない。陸軍の横暴を許すわけにはいかない。下々のための政治が行われるように、なんとしても頑張りたい」と病床に伏してもなお国民のことを案じていた大正天皇の無念が胸に迫る。大正天皇の許に嫁いだ九条節子の生涯を通し、大正、昭和という激動の歴史の側面を知ることができた。2015/01/18

trazom

78
貞明皇后の物語。植松さんの作品は、いつも、歴史上のエピソードが巧妙に盛り込まれ、とても見通しがよい。この小説を通じて、女性としての貞明皇后の生き様、第一次世界大戦に参戦し軍部が台頭する大正という時代、そして、大正天皇の人物像がわかる。精神疾患などを含め、大正天皇を描くのはとても微妙な部分があるが、この小説には、重圧と病気に苦しみながら、平和を愛し、初の一夫一婦制をとった天皇の姿がある。また、蚕の飼育、ハンセン病や知的障害者への支援、灯台守への理解など、貞明皇后の強い意志と優しい眼差しを知ることもできた。2020/08/23

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